外部仕様から「勝手に入るゴミ箱 Smart Trashbox」を追う。

勝手に入るゴミ箱作った Smart Trashbox について、今日どんなスキルセットが必要か三鷹プログラマーズカフェで雑談してたのだけど、テレビ東京WBSトレたまで本人への取材があったようだ。
倉田 捻さん、自動車メーカー勤務、制作期間1年 ほとんど一人だそーだ。


3年ぐらいかかってますよとか、これどっかの会社のプロモーションだよとか、同人チームだよとかことごとく予想外れたね。
http://www.tv-tokyo.co.jp/mv/wbs/trend_tamago/
http://youtu.be/NqDTE6dHpJw




1. 台車設計

3つの車輪による動態制御。
動画を詳しくみると1つのサーボで車輪旋回、車輪回転をおこなっていることがわかった。
このゴミ箱の場合、車輪そのものが回転をするので、トルクは伝えやすい反面、ベクトル計算が結構厄介なのではないかと思ったが、すべての車輪が進行方向に向くように制御されることで落下地点まで直線で移動しているのかもしれない。

てっきり車輪ごとに感応性の高いサーボモーターを使っているのかと思ったが、底面中央につけたひとつのサーボモータで行われているようだ。ギアベルトが2系統あり、車輪を動かす用と、車輪を回転させる用にギアチェンジをしているようだ。ベルト+歯車でよく回転角制御できるなー!


動画を見た直後に思い浮かんだものより相当シンプル。
3輪の全方位移動 ロボットはあまり聞いたことがながいま調べてみたらこんなのがでてきた。
http://www.ir.his.u-fukui.ac.jp/ja/intro/article/h17/c18.pdf
通常はこんな感じでベクトル計算を行ってしまうが、頭かてぇょという事だろうか。
うえの論文にもでている浅間一氏の講演を聞いたことがあるのだが、全方位移動については横方向への移動を実現するために車輪に横回転できるベアリングなどのミソポイントを聞いたことがあるが、まさかまさか車輪をぐるぐる回してしまえばいいじゃない!というコロンブス的な解決方法はちょっとなんか素晴らしい。
http://www.robot.t.u-tokyo.ac.jp/~yamashita/paper/A/A008Final.pdf

このモーターはブレーキ付きだろうか?多分ついてるよね。一個数万するよね。高いよね。
でも、もしブレーキを駆動系とは別に制御してたらどうしよう。なんかストッパーっぽいのも見えるんだよね・・・。


2. 旋盤

自動3D旋盤は相当高いらしい。手動の卓上フライス盤(?)ももっているとか何者だという感じであるが、自動車メーカー勤務であれば納得だ。会社所有のものを借りたのだろうか?綺麗な機械だったので実務ではなく研究用か?CADから手動穿孔までを一人でやってしまうのがすごい。高専などで専門の教育をうけたのだろうか?

3. 電子回路設計

基盤設計とかさっぱりわからないけど、他の人の話しを総合するに、基板も設計データをおこして、そのまま海外にオーダーを依頼すると1〜2週間ぐらいで数千円であがってくるそうだ。これなら個人のお財布にもお優しいよね。
http://d.hatena.ne.jp/itog/20120224/1330052727
海外に発注したのかどうかは知らないけど、日本の業者に依頼すると最初のロットで数万かかるらしい。


この秒数のところに現れる基板、何をするための基盤だか解説できるひといる?
http://youtu.be/NqDTE6dHpJw?t=1m17s


4. 部品組立

この段が簡単に思えるほどの他のフェイズの難しさよ

5. プログラミング

Kinectプログラミングというよりは、シリアルポートで制御系のプログラミングという感じ。
射出位置が特定できないので、放出物落下までの間に最低3回は投げられたターゲットを検出しなくてはならない。3回拾えれば、落下点計算ができる。2点検出だと、頂点を迎えてしまった場合、速度を見誤る可能性がある。Kinectにそこまでの秒間スキャニング能力があるかを聞いてみたが、遮蔽空間であれば結構拾えるとのこと。底面にレザーポインタが見えるのでマウスよろしく床面距離計算などをして、ゴミ箱自身の移動距離などの補正をおこなっているかもしれない。

これをやるのに必要なスキルセット!

・CAD
・台車設計
・電子回路設計
・基板発注
・ハンダ付け
・動構造組立
・物理演算
・動作チューニングなど
・制御系プログラミング
・KinectAPI
・動画編集
・情熱とそれを維持する力



えっと、無理だな!!
すげー・・・



他、今日話題にあがってた

防衛省が開発した「球形飛行体」
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1110/20/news128.html