紅茶屋が見た水道水とボトルウォーター

ねた元

ボトルウォーターという巨大な詐欺
http://d.hatena.ne.jp/TomoMachi/20091107
アメリカのボトル水の多くが実は地元の水道を蒸留しただけのものだと暴いたCNNニュース。
それを原価の何百倍もの値段で売っている。ボトル水のコストの9割はビン代だ。ボロい商売だ。

一方東京は水道水をそのまま販売した。

http://www.waterworks.metro.tokyo.jp/tokyo-sui/campaign/hanbai.html
価格 1箱2,500円(都内(島しょ除く)送料・税込み)


まだ、アメリカは水道を蒸留してくれるんだったら、いいんじゃなかろうかとか思ってしまった…

アメリカの水

アメリカに行くと、キオスクみたいなところに水のサーバーがあって、コインを入れると買える。
ガロンの容器とかも売店で売っている。(場所によって違うかもしれない)
容器を持ち込むとたいした値段じゃない。セントの世界。

水の原価

ボトルに入った水の原価を何で見るかで違った側面があるとおもう。
原価というのは何も原材料費だけを指す言葉ではない。
パッケージ、流通コストをふくめたものを考えれば、中身が0円でも値段が付くのは妥当なのではないだろうか。
水は体積、重量とも安いわりにかさばるので流通コストが嵩む。
原材料費だけとらえて、ぼったくりだというのはフェアではないとおもう。

東京の水道水

東京の水道水がここ10年ほど劇的に改善している。
これは透析技術にも通じるフィルター系の技術が向上したことによるところが大きい。
最近は自信をもったらしく、PRにも余念がない。
信じられないかもしれないが、水道水がペットボトルに詰められて販売されている。

東京水道水
http://www.waterworks.metro.tokyo.jp/tokyo-sui/campaign/hanbai.html
 水道局では、安全でおいしい水プロジェクトのPRの一環として、高度浄水処理100%の水道水をつめたペットボトル「東京水」をイベント等で無償配布しているほか、都関連施設等での販売や通信販売を実施しています。

水道水を販売することの意図は、あなたの家の水道水と比較してくださいという意図があるように思う。
水道水が不味いのだとしたら、それは水道水が不味いのではないと。
飲めばわかるまでの違いだと自信があるのだろう。
おもしろい試みだ。


多摩水系、利根川水系荒川水系、都内でも大きく意見が違うかもしれないが、かつての水道の水はカルキ臭かったし、味もあれだった。
だが今は明らかに違う。


現代において水道水を不味くしている、その原因のほとんどが今は貯水タンクにある。
学生時代、マンションとかの貯水タンクを掃除するバイトをやってたヤツらの話しを聞いたが、貯水タンクにはいろいろな考えられないようなものがはいっていて('A`)となったそうだ。聞いているほうも('A`)となった。

ひどいビルだと沸かしても匂いが抜けないところがある。
味にもえぐみがでる。
あれが水道水だとおもっているのだとしたら、たしかにとても不味い事態だ。



友人んちのビルも直結給水方式に変更した。
メンテナンスコストも下がるので数年前から都内で流行ってるみたい。

http://www.waterworks.metro.tokyo.jp/customer/service/kyusui-housiki.html
給水方式には、「直結給水方式」と「貯水槽水道方式」があり、使用用途、給水高さ、所要水量、維持管理等に応じてお客さまにいずれかの方式をお選びいただけます。

給湯設備も整っているビルとかあるけど、熱湯ででてくるぶん始末がわるい。
浄水器をつかうことができないからだ。
ああいうのでいれた紅茶はショッキングだ…(´・ω・`)


水道管から蛇口までにあるもの。

うちのお店は主水管が目の前の道を通っていて、数メートルと離れていない。
水道水はおいしいとおもう。
同じ敷地の水道でも古い導管をつかったままのの水は違う味がする。
平成7年以前の古い給水管は鉛管である可能性がある。
こういう水道水を飲み水として使用する場合、鉛をフィルターできる性能をもった浄水器を通すか、給水管の交換をしたほうがいい。

飲食店のお冷

水道への偏見は都民は根深い。
水道水を、蛇口からひねって、そのままお冷で出すと「ギョ」とされるし、すると思う。

飲食店でおしゃれなところはお冷になんか工夫がされてておもしろい。
レモンのスライスをすこし入れたりすると、大抵の人は味と香りがわからなくなるので、お冷のピッチャーにまぜていたりする。
一昔前はこのレモンがもっと露骨だったが、最近はさりげなくなってきたと思う。

水道水と紅茶

紅茶には水道水が推奨される。
理由はおもに2つ

1.ペットボトルの水はミネラルを多く含む硬水
日本の水はほとんどが軟水。例えば英国のブレンドをそのまま日本にもってくると、渋くなりすぎて飲めない。
(あちらは石灰分が一晩で沈殿するようなガチガチの硬水)
硬水には硬水の軟水には軟水のブレンドがある。
硬水なら俺はフォートナムメイソンとかがいいとおもう。フォーションとかフランス系ブレンドが日本で流行ってるのは、日本の水でも、まあ、あうということだとおもう。

2.空気を多く含んだ状態である
水道水は現代人が飲むことができる唯一の流水だ。
ジャンピングには諸説あるが、空気を多くいれた方が口当たりがマイルドになる。

富士山の水

足柄サービスエリア下りによったら、富士山の伏流水が飲めるとかってんで、汲んでるひとがいっぱいいた。
容器(5リットルので800円とか)とかも売ってて、そして公園にはひとなつっこくない子猫が3ひきいた。


なにやらやたらと高い水

本当にボロい商売であればみんなやる。
…。
うん、みんなやってるね。
日本でもなんとか還元水を始め、マルチとか常にあるポピュラーな商材だ。
「健康」「美容」というコンプレックスを刺激する言葉が絡むと途端に有象無象の世界になってしまう。


水のような生活必需品の粗利は抑えられるべきなのではないかと思う。
4割を超えるような粗利があるのだとしたら、それは生活必需品ではなく、他の意図がある商品なのではないかと思う。
スペシャルなものですよ」と付加価値をつけた上で、そうではないものを販売したのだとしたら不正競争なので取り締まられるべきだ。
「健康」「美容」が絡むものに、そういうものが多いのはご多聞に漏れず。


効果がある商品は年月がたつことにより流通価格は下がる方向に作用する。
効果がある商品には需用が生まれるからだ。
需要がある商品は流通経路を確保され、供給体制、生産体制が強化される。
供給体制が整うので値段が下がる。
値段が下がらないのは希少品か、需用がない商品かのどちらかだ。


「健康」「美容」に絡むもので値段が高いままなのは、あまりいい兆候ではないとおもう。
希少品なのに廉価の代替品も登場しないということは、需用がないということだし、需用がないということは効果がないことの証左になってしまっている。
新商品なので値段が高いということはある。
が、得体のしれない商品を高いお金を払って自分の体をつかって人体実験することはないじゃねぇかなと思う。
なのでいつの時代も新規に飛びつかざるをえない人たちが狙い撃ちになる。

ひとの弱みに付け込んで濡れ手に粟の人たちの蛮行を水に流してては、市民が枕を高くして寝られないYO

東京水

・・・。
なんかこんな事をかいてたらほしくなってしまった。
仕入れて販売してみようかな。。。
ほしい?