日本の潜在成長率はあがるのか

勝間さんのインフレ政策を実行するとどうなるのか?
http://blog.livedoor.jp/kazu_fujisawa/archives/51611082.html
驚くべきことですけど正しい答えは「勝間さんのインフレ政策を実行するともっとデフレになる」です。
...略...
そういう意味で日本の慢性的な経済の停滞を解決したいならばボーリングの一番ピンはデフレをなおすことではなく潜在成長率をあげることなのです。

事象を矮小化してみる。
生徒の成績をあげるのが仕事の塾。
生徒の成績がさがった時に塾は何をしたらいいだろうか?


1.成績が落ちている原因を探して効率的な勉強をできるようする。
2.勉強時間を増やすよう環境を整えてやる。


おそらくこのような優先順位なのではないだろうかと思う。
だがこれにはいくつか前提条件があって、生徒本人にやる気があるという前提条件が必要になる。
環境さえ整えて「やるだけの状態」にしてやれば、やればあとはやる事はすくない。


日本経済にやる気はあるだろうか?
やる気がないわけでは無さそうだが、中国やインドほどのがむしゃらさは無い。
日本の人口動態をみれば、成長を前提とした経済はあまり明るそうではない。
齢50歳を越したスポーツ選手の成績が落ちてきたからといってどうすることができよう、全盛期と比べ悲観ばかりすることもあるまい。


政策で経済をなんとかするというのは、塾に例えると、他の生徒の成績を下げる工作をするとか、その生徒の成績にゲタをはかせて+10%します。みたいな話しなのではないかと思う。
金利や特定産業の保護政策はこのようなものなのではないか。
見掛け上成績は伸びるので、生徒のやる気が喚起されて、結果成績がのびることも可能性としてはある。
しかし、それは本質的なものではない。
保護されることによって、かまけてしまい良くない結果をもたらすこともあろう。


いまアメリカで、がっつり通貨がデュープされていて日本はまちがいなくそれに巻き込まれている。
日本もお金をばらまくと宣言するのは、対抗策としてはありなのかもしれないなと思う。
「通貨発行量をふやすのがいちばん簡単」の裏側にもっと簡単なことがあって、「通貨発行量をふやすぞと脅す」ことだ。
実行の可能性を排除しないだけで、実際にやるやらないを抜きにして効果がある。
バーナンキの「我々はヘリコプターからお金を撒く準備がある」という言葉は実際に市場を動かした。
これは北朝鮮の外交手段と同じで、実行した段階で手詰まりになるかもしれない。
しかし警戒させるだけで効果がある。
だから「そんなバカな選択肢をあげるなんて」と、その結果を推測し力説したところであまり意味はないんじゃないかなと思う。



1.日本は経済を伸ばす気があるのか。
2.経済が落ち込んでいる原因を特定できているか。
3.経済活動に専念できる環境は整えられているか。


この3項目を改めてみると、前提条件から崩れてしまっている気がする。
企業のファンダメンタルを無視して政策でなんとかなる段階にあるだろうか?
政策や立法は障害を取り除くべきものであって、自ら経済を落ち込ませる原因となってしまってはならない。


なんてことを思ったりもした。
バカな事をやるぞと脅している人をつかまえて、それは君バカなヤツがすることだよと諭すのは、ヌカにキュウリなのである。ヨーグルトを1に味噌2をかき混ぜたやつでキュウリとかナスをつけるとおいしいらしい。
まあそんな感じ。
本気であーだこーだ信じている人もいるかもしれないし、まあそれはそれでいいんじゃないかな。