マイクロオフショア、クラウドソーシングの今

プログラマーズカフェでのLTが終わったので、質問などを反映してエントリーをがらっと書き直しました。[6/1] LT(ライトニングトーク)につかったパワポのURLを貼っておきます。この文章はパワポの内容の派生です。

oDeskつこーてみた
クラウドソーシングの時代・エンジニアも輸入関税自由化なのです
https://docs.google.com/open?id=0BzsCrr8T7mPeUVhfWmVFVUpvREU

↓古いversion レイアウトが崩れてるので↑のリンクのPDFでみたほうがいいかも!
http://www.slideshare.net/kuippa/odesk

LTのダイジェスト!

1. oDeskは海外のひとにお仕事を依頼するサイトサービス
2. 実際の仕事依頼をした3件の実体験あれこれ
3. ネット越し&オフショアの仕事依頼
4. 2ドルで働くプログラマーとかと戦えんの?


オフショア

20年ほど前。中国の四大銀行の頭取の年収が日本の新卒社会人の給与とさほど変わらなかった時代、海外の安い労働力を求め途上国への工場進出が始まった。それから月日が経ち、急激な経済成長がすすみ、いまでは海外ブリッジのリスクを考えればエンジニアの雇用に関しては日本人を雇うのと変わらないところまで来てしまった。現在では中国に出た製造業はさらに安い労働力へとタイ、フィリピンに向かっている。BRICsから、NEXT11へ。


10年ほど前。スカイプなどが出はじめたときに、ついに「サービスも輸入できる時代」になったと表現されるようになった。電話オペレーターは人件費の安い海外つかえばいいし、英会話教室などフィリピンあたりの英語ネイティブに教わればいいじゃないかという論だ。最近になってこそようやく一般化したが、10年前語られた夢想は今ではあたりまえに触れる商用サービスになった。


現在。そここで耳にする海外ブリッジの苦労話そしを上げれば枚挙にいとまがない。しかしながら、100円ショップの品揃えをみても、食べ物をみても我々が経済的優位のもと安い労働力の恩恵を受けていることには間違いがない。そのような状況下でoDeskのような、役務を依頼するためのサービスが成果をあげ始めている。10年後を考えるとこの兆候を無視するわけにはいかない。

経済淘汰と平衡

物理的移動方法や情報伝達速度の高速化により、急速に距離を縮めた世界の環境変化はグローバリゼーションという言葉として概念化できるまでになった。その間、経済的合理性のもと海外生産推進などによる失業やコスト競争にやぶれるという、経済的な淘汰があった。残存した町工場は生き残るに値する特殊技能を持ったところだ。価格競争では勝負にならないので他の価値で勝負するよりない。


お金のながれと国は、濃度の違う溶液の間に挟まった半透膜のようなもので、制度やら関税やらで一生懸命囲いこもうとしているけれども、流動性があるものは拡散し平衡化するのが万物の真理だ。流動性、ここでは競争と言い換えてもいいかもしれないが、日本が経済優位性を守るためには価格以外の競争力を持たなければならない。

ホワイトカラーも競争不可避

誰がやっても同じような成果しか期待できない仕事が世界に拡散するのは想像するに容易だ。仕様書を投げれば、設計通りにモノをあげるだけのテンプレートエンジニアやコーダークラスの技術者はできるだけ早い段階で研鑽をして上のレベルにあがらないとグローバリゼーションによる価格競争に巻き込まれてしまう。


しかし、oDeskなどの勃興をみると、ここではさらに上位層への警告もせねばなるまい。日本の経済的優位性は世界トップクラスだ。日本と時代格差が4〜50年ある国が、世界では同時代に存在していて、その国の人間がパソコンを持ってネットにつながっている。その国のなかでは間違いなく上位数%に属するエリートだ。どこにいっても通じるレベルで頭がいい。

お国を変えて一旗あげるぜという成功に貪欲な人もいるだろうが、そのひとの環境の問題で場所を離れられないひともいるだろう。かつては物理的距離を超えての仕事は困難であったが、現在は国内でもテレワークなどのノウハウが成立してきていて、そのような流れをみても、海外の上位層が競争相手として流れ込んでくるのは不可避だ。英語がつかえて、プログラムが書け、あまつさえ日本語の勉強をしていたりする。よく肥えた日本がこのハングリー坊やたちの前にぶらさがっている。じつに美味しそうじゃないか。


これから

日本の言語や習慣の違いによる参入障壁はかなり高い。あと、数年はこの波を直面するまで猶予があるように思う。アメリカがインドとの時差を利用してビジネス活用しているが、日本も遠からずそのレベルでは活用しなければならない。さらに将来的にフルスクラッチでものがつくれるレベルのエンジニアがばしばしがはいってくれば状況はかなり違うものになる。

クラウドソーシングといえど発注コストや受け入れコストはまだまだ高い。自分で仕事をする以上に大変だ。だが数十万以下のちょっーーとしたものをバシバシ投げて人を組織していけば、ものすごく楽しいことができそうな予感もあるし、現段階でそれをしておかなければならないとも思う。地場のICT事業者協会とか、エンジニアが緩くつながるようなご当地プログラマーズカフェのような関係の世界版も必要だ。


もし小さいやりきりの仕事でテレワークに出していいものがあれば、うちに投げてくれれば最終的な成果物としてのケツは私がもつのでやってみませんか? ま、うち紅茶屋ですけど。(だれ!海外以上にカントリーリスクだとかいうの!!)


1. システムなどの発注経験があって
2. 海外商習慣を理解して
3. 要求(仕様)がかけて
4. 受け入れ検査ができる

すべてオンライン上でやるには、ちょっとまだハードル厳しいですね。システムなどの発注経験がないと、そもそも仕事を受けるのは難しいですが他の項目は楽しそうなのでフォローしてみたいです。
システム開発以外にも用途があるので今度はR&Dとかの分野で試してみます。


そんな話しを毎週木曜日に三鷹プログラマーズカフェでやっています。
https://www.facebook.com/pgcafe



他:

↓5/29 19:30〜 プログラマーズカフェ ナイト
http://www.zusaar.com/event/283003
6月も企画を考えてます。6/26 開催予定です。
きてね! まってる!まってるんだ!!!


ボヤボヤしていると仕事がなくなる! プログラマ・SEの仕事は全部中国に?!
http://doda.jp/guide/monoshiri/all_370.html