Hack For Japan ハッカーに期待すること

Twitterでの #hack4jp をはじめ、wave、Google Moderatorで議論がされている。
詳しくは http://googledevjp.blogspot.com/2011/03/hack-for-japan.html



議論を追いかけてみたが発散してしまっていて現時点では集約させるのが大変そうだ。
情報処理の専門家達に期待することは情報の可視性、可読性をあげることだ。現在は混乱した状態にある。知識も情報も持ち合わせていない人に判断をさせてはならない。判断の根拠となった情報が古いものであったり間違ったものであったりしてはならない。結果的に判断を誤る可能性が高いからだ。しかし知識なぞ体系化することで学習可能なものであるし、情報は容易に分配が可能なものである。


Hackerに望むことは、現場が適切な判断をできるために情報の集約と新鮮な情報の分配体制を整えることだ。


これはジャーナリストも、行政官にも、ましてや政治家的にもできない。情報の共有体制を整備できるのは情報処理の専門家達だ。それは流通と同じく後方支援的な取り組みであり、華やかではないかもしれないが、この難局にこそ組織をこえてクロスファンクショナルに協調してもらえたらと思う。
協調体制をとるためにはプロジェクトマネジメントだけでなく、品質管理、クオリティアシュアランスの体系的なやり方が役立つのではないかと思う。専門家ではないが、思いつくところを纏めてみた。


集める情報の定形

データマイニングのために同じ条件で集められた情報が必要だ。被害情報、避難者人数、不明者人数などの被害情報から、現在不足している物資など集める情報は多岐に及ぶがそれぞれの地域からヒアリングをしたのでは情報は拡散してしまう。ヒアリングシートのような、まず、どの情報を重点的にあつめ管理するかを策定する必要がある。


・情報の定形の作成 => どのような情報を集めるか(議論必要)


テンプレ草案

VERSION:1.0.0  #情報テンプレのバージョン
DATE:YYYY/MM/DD HH:MI:SS
情報記載者:
地域名:
地域スケール:(県,市区町村,町域,,,)
緯度:
経度:
地域人口:
死者数:
要介護者数:
行方不明者数:
倒壊被害件数:
浸水被害件数:
火災被害件数:
避難所避難者数:
仮設住宅数:
支援金総額:
稼働医療施設数:
現地支援者数:
電気:True/False
ガス:True/False
水道:True/False
電話:True/False
通信:True/False
幹線道路:(不通,緊急車両のみ,障害ありだが通行可,通行可)
生活道路:(不通,緊急車両のみ,障害ありだが通行可,通行可)
鉄道:(不通,まびき運転,正常)
自治会種別:(市町村,町内会,有志自警団,etc,,)
自治会規模:
不足物資:text
特記事項:text
支援団体:text ex.自衛隊 n人、消防 n人、XX町内会有志 n人
現地Tel連絡先:{避難所1:XXX-XXX-XXX,自治体:XXX-XXX-XXX,,,}
現地FAX連絡先:{避難所1:XXX-XXX-XXX,自治体:XXX-XXX-XXX,,,}
現地Mail連絡先:{自治体:XXX@XXXX.XX.XX,,,}
現地Twitter:{自治体:@XXXXX,地域ハッシュ:#XXXXX,,}

情報の収集

今回は被害地域が多岐に及ぶので地区ごとに担当をもうけるのがよいのではないか。エリアごとに情報の収集手段は人力でも報道でもかまわないが定形に沿った情報であることが必要とされる。


・被害地域別のクラスタ作成 => 自治体別(議論必要)
・担当者の設置 => 公募? 誰でも更新できるような体制をつくるなど


情報の更新

古い情報が混在すると混乱の原因となる。常にフレッシュな状態で管理されなければならない。センターノードを作成し、常に新しい情報がある場所を告知しておくとともに、地域別の担当者に周知徹底したうえで、確認をする。情報のバージョン管理システムなどを導入し、相互チェックできる体制と、また情報が常に新しい状態で更新されているかの管理、周知徹底を任とする人が求められる。


・センターノード => 引き受け母体必要(議論必要)
・情報管理者の設置 => 周知徹底役


情報の解析

集めた情報をもとに、どこでどのような支援が不足しているのかを判断、実行できるように情報の可読性、可視性をあげる。人数あたりの支援金が平均より下回っているなど。各自の創意工夫を自由に活かせるように。


・それぞれのサービスへのポータルが必要 =>(調整必要)


障害報告

復興の支援の妨げになる事象が確認された場合、障害として報告する。


BTS(バグトラッキングシステム) =>(議論必要)

ナレッジシェア

それぞれの地域で同じような苦労を別々にしなくていいように、うまくいった障害回避方法を体系化し共有する。


・ナレッジシェア => FAQ、wiki形式、チュートリアル形式(議論必要)


情報の分配

集めた情報は速やかに、かつ、齟齬のないように工夫して広報、周知伝達する必要がある。視覚デザインなどの工夫を施すだけでなく、アナウンス経路の構築の必要あり。


・アナウンス体系の確立 => 自治体、ジャーナリスト、政治家など(調整必要)


まとめ

Googleパーソンファインダーのように情報の収集から配信まで一連でやってしまうところもあるが、今後数年続くであろう復興を考えた場合必要なのは上記のような体系化された情報共有の手段のほうなのではないかと思います。あつまった情報だけをこねくり回すだけでなく、集める情報からどうか議論してくれるよう世界のウイザードさまがたにはよろしくお願いします。


大事なのは人と人とが声を掛けあってコミュニケーションをとること。
動くのも人間なら助けられるのも最終的には人間です。デジタルな世界にだけ完結しないでください。