市長が地域経営をしたら20%超の市職員が辞めていった

9月27日に佐賀県武雄市の樋渡(ひわたし)市長に「ちいさなまちの革命=ツイッター行政」と題しご講演いただいた。本当はすぐ感想を書こうとおもっていたのですが咀嚼するのに時間がかかってしまった。
とても面白いご講演でとても盛況だったのだけど、感想を文書で書くということは、落語の感想をかくようなものでとどのつまり野暮ってもんじゃないかと。文章に落とすのが思考整理にならないという感覚は久しぶり。


ということで、Ustreamで録画しておいたのでそっちを見てくれということに尽きるのだけど、会場の空気感のようなものは伝わりきらないと思う。文章を読むより動画を見ろだし、動画を見るよりご講演にいくことをお奨めする。一義にはオリジナルにふれろということ。次の都内は冬あたりに慶應かどこかでやるらしいですぞ。

事前案内したセミナー概要

テーマ
ちいさなまちの革命=ツイッター行政
〜積極的な情報発信をひかえめなつぶやきで〜

日本ツイッター学会を立ち上げ、ツイッターを政治、行政に活かすために390名の市職員がつぶやきを開始。
特産品がなければつくってしまおうと日本では生産が難しいと言われているレモングラスの生産に成功した「レモングラス課」、いのしし被害対策といのししの肉の特産化を目指す「いのしし課」、ミニバンを移動手段として地域に貸与する「みんなのバス」事業、〝婚活〟を支援する「お結び課」。「佐賀のがばいばあちゃん課」はおばあちゃんのアイドルグループ作ってCDデビュー&上海万博に出演にまで。がばいコンピューターおばあちゃん誕生までまもなくか!? 
次から次へと新政策を発表し成果を収める秘訣を話題の市長にご講演していただきます。
登壇者紹介
武雄市長 日本ツイッター学会長 
樋渡啓祐(ひわたしけいすけ)氏
東大卒で元総務省官僚、36歳という当時最年少で佐賀県武雄市市長に。1969年(昭和44年)11月18日佐賀県武雄市生まれ、現在40歳。
学生時代より「僕のキャンパスは世界だっ」と今までに延べ40か国を旅する。総務省官僚の時には大阪高槻市の市長公室長に出向し関西大学の誘致に成功。
著書には、『「力強い」地方づくりのための、あえて「力弱い」戦略論』(ベネッセ)がある。

日本ツイッター学会なるものもやっていらっしゃるので、ツイッターにもいらっしゃいます @hiwa1118 フォローしてみましょう。ちなみに今回のご講演依頼もツイッター経由でした。


当日の状況

ご講演動画

http://www.ustream.tv/recorded/9851190
公演時間は2時間30分におよびます!
セミナーの様子ぐらいしかわかりませんが、お時間をとってでもぜひどうぞ。


当日のTwitter状況

ハッシュタグには開催地の三鷹と武雄をあわせた#mitakeoを使用しました。
ご講演資料用のメインパネルとは別に、サイドスクリーン上にTweet Bubbles(http://tweetbubbles.net/)で表示する形で運営いたしました。
会場から、またネット上からのつぶやきが多く、会場だけでなくネット上ももりあがっていました。事前やイベント中にハッシュタグをもっとご案内できればと思いました。

当日のTwitter上でのつぶやきを会場にいらっしゃった方がまとめてくれました。
#mitakeoの Togetterはこちら。
http://togetter.com/li/54331

セミナー内容(キーワード)

動画を見ないと意味がないとおもうけど、羅列しておきます。

地域経営
市役所の机は円卓
レモン牛乳
市職員100人が辞職
落ち葉84
日本の行政システムを海外に売りたい(※注目
FIRST FAST FUN
武雄市 市民が5万人なのに猪が3万頭ぐらいいる
官尊民卑
借金を減らしているが、行革をしていかないといけない
まずやってみる 勢いのあるところと組む
ツイッター 人を褒めたときのアーカイブが残るのがいい
打率は2割でオッケー
組織金魚鉢
ツイッターの災害時対策 緊急時の撹拌性はない。
しかし、その後に物資がたりない、情報の共有などには役立つのではないか
善意の輪
ツイッターの作法、孫家、裏孫家
職務専任違反なのではないか

セミナー超訳

まとめられません!
まとめられないので超訳します。


・市長だとおもっていたが経営者だった
・行政はコストセンターだと思っていたが、経営者次第でプロフィットセンターになれる
・日本の行政システムは設計は優秀なので途上国に輸出してもいいぐらい
・せっかくの優秀なシステムも運用しだい。よどめば腐る。権限譲渡や連携が必要。
・かきまぜないと!


個人的な感想

通常、日本の政治は合議制というか、付和雷同型で、反対意見が有力者から出た時点で波立たない方向へ容易に流れてしまう。根回しで反対者がでないようにしてから物事をすすめる。そのためあらゆる決定が停滞するし、根回しそのものが不毛で結果ダメになってしまうことが多い。
日本で優秀だというのは問題をおこさず無難に”こなす”ということとほぼ同義だ。
この市長の凄いところは、それを突破してしまうところだ。
日本でリコールされた市長なんて自分か阿久根市の市長だぐらいだといっていたが、地方の最小自治区の財政は破綻しかかっているのに緊急事態のサインは出っぱなしなのに多くのところはそれでも無難に過ごそうとする。
揉めるぐらいだったら自殺しちゃう国民だからしょうがないのかもしれないが、それではイカンちゅうことなのかなと切にかんじいった。いろいろなやり方があっていいかとは思うが、これは一つの祖になりうる。今後も要注目ですね。


行政関係のかたから聞いたのだけど古い体質のところはヒラと課長が直接喋ることすらないのだという。
各自の面子を立てなければならないので必ず、係長を通すとか、そういう構造なのだそうだ。だから市長が各部署から直接ヒアリングをするなんていう上意下達構造を無視されると、現場は大変だろうねと言っていた。
いま武雄市で取り組まれているあらゆるものは、これは行政だけにとどまらず現代の企業体にも通じるヒントがあるのではないかと思った。

他方三鷹は悔しがっていた

ツイッター導入とか、本当はこういうのは三鷹が先にやらなきゃダメなんだよと、一時期三鷹のそういう時代をけん引した先達がキーっと悔しがっていました。もっと暴れないと、だって。


レモングラス即売会

はぐら茶屋でその武雄市でつくっているレモングラスを扱っています。会場でレモングラスの試飲即売会を休憩の合間にこそっとやったら売り切れた。さすが市長のトップセールスは効きますね。

そんなわけで再入荷しました。紅茶と緑茶版も取り扱いはじめました。
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市長の判断基準は?

会の後、ご挨拶もあって少しだけお話しをしたので、その時にセミナーで不思議に思ったことを聞いてみた。
「とんでもないことをサラっとやっていますが、アクションをするときの行動基準と、優先順位というか判断基準は何ですか?」というような質問だ。最初、投資対効果か何かで判断しているのかと思ったがそれだけだと行動に説明がつかない。


少し考えられたので質問が伝わらなかったかなと思ったのだけど、こう御答いただいた。
「公の為になるかどうかで判断して、あとは難しいことから手をつけるかな」だそうです。


うわー。考えがおよびもしなかった。
難しいほうからか!!
この考え方を聞けただけで、為になりました。
気をめぐらさないと簡単な方へ簡単な方へ流れちゃうからね。
見習おうと思いました。


参考

市長ブログ 武雄市長物語
http://hiwa1118.exblog.jp/
Twitter
@hiwa1118
武雄市ホームページ
http://www.city.takeo.lg.jp/index.php