技能事務所をだれかそろそろおつくりなさいな

芸能事務所ではなく、技能を売りにした技能事務所をだれかそろそろやらないか?
特定派遣業がそれとして機能していればよかったのだけど、技能売りというよりは人売り業界として定着してしまっている。いまさら方向転換は無理だろう。だけど時間ではなく技能を売る仕組みがこれから必要だ。


現在は人を先物買いしないと技能が評価ができない市場環境にある。買ってみないと(雇ってみないと)、技能が評価ができない。技能は申し分なくともミスマッチで意図したものではないケースもある。これは双方にとって不幸だ。日本では労働市場における人の流動性が高くないので、必然ひとについてまわる技術の流動性はさらに低くなる。


これでは技能市場はいつまでたってもすっぱいレモンがまぎれたままで、食べてみないとわからないレモン市場だ。「やってみなければわからない」では、冒険は許容しがたい結果を迎えることになる。そんなリスクをとるわけにはいかないので、必然、縁故の仕事に頼らざるを得えない。だが、しがらみはマーケットをそだてない。


イラストレーターの市場

http://twitter.com/testa_kitchen/status/18447794295
Pixivで3日連続ランキング入りしたら携帯ゲー製作会社三社からお仕事の依頼が来た。三者とも「報酬は無料でお願いします(^^)」(←死ね)こんな会社がつくっているゲームが経済的なエポックになるとはとても思えねぇ 


絵の経済的価値は評価しにくい。
たとえばポストカードを1000部印刷して1万円、150円で1000部売れて14万円の粗利。販売経費を考えると利益は全部売れて5万円ぐらいだろう。1000部をさばける人で1枚5万円のギャランティとなる。だがポストカードの一枚絵で1000部さばけるイラストレーターがはたしてどれほどいるだろうか?たぶん1000部その人の力だけで売ることができるひとは数千部も売ることができる。だが大抵は100部売ることもままならず、実費で採算にのることは難しい。
携帯ゲーなんてさらにそうだ。
絵のみの出来だけでなく複合要素になって、山っ気たっぷりに売ってみなければわからない世界だ。いい絵がないと売れない。しかし、いい絵をつかっても売れるとはかぎらない。


投資(投機)ができるほど資本がないところは、レベニューシェアという名の強制手弁当で、挑まざるを得ない。だがマーケットに流通させるのに資本がいる以上、資本がないところが採算までいく可能性は低い。
採算までいかなかった場合、技能にも売れなかったという土がついてしまう。さかのぼって技能の経済的価値が減免してしまう。だから、なんとしても売れる人と組みたい。金もない売れなさそうなやつはお断りというわけだ。



技能市場のお見合い

国内マーケットは人口動態を踏まえるとこれから縮小する。すべてを抱えこむことのできる(そして必要ないときにそれを切り捨てることのできる)大企業か、余計なものを一切もたないSOHOスタイルかの二極化になるだろう。
SOHOの技能者が増えるにしたがって、大きな組織に所属しない目利き役の需要は増えていくことだろう。
もし技能だけでは食っていけない時代がくるのだとしたら、その持っている技能と売りどころの市場がマッチしないからだ。だがこんなものは、組み合わせ、見せよう、アレンジの仕方次第で、乗り越えることができるのではないかと思う。
だからこそ、市場と技能、技能と技能のマッチングをする組織なり人がこれからの時代求められるのではないだろうか?



絵などであればキュレーター。
商品制作であればバイヤー。
音楽であればブッキングマネージャー。
プログラミングであれば必要な人材をアサインできるマネージャー。



いままではそのような部門は企業が垂直に統合していた。社内の技術を企画や営業部が市場にマッチさせてきた。しかし、これからはもっと幅広く、クロスファンクショナル(横串連携)なアレンジメントが求められる。
そういうアレンジメントをする芸能事務所ならぬ、技能事務所をやるといいんじゃないかと思うわけです。
いいからYouやっちゃいなよ!


プロの表現者と食える表現者

大量のプロの表現者が食べていける時代は、終わってもいいんじゃないか【湯川】
http://techwave.jp/archives/51457840.html
作家やミュージシャン、カメラマン、ジャーナリストなどといったプロの表現者の仕事は、今後もますます少なくなるように感じる。でもその一方でアマチュアの人たちの表現が爆発的に増える。


個人的な考えをいえば、プロとアマの違いは、スランプ状態にどれだけパフォーマンスを落とさないかに尽きると思う。アマの会心撃は一流のプロを凌駕することがあるが、プロフェッショナルと呼ばれる人はベストパフォーマンスとワーストパフォーマンスのムラがそれほどない。
そういう人をプロフェッショナルな職人と自分は言いたい。プロとは、お金をもらっているか否かで定義するべきではない。プロじゃなくてもその関連で食べている人がいるし、プロフェッショナルでも食えるかどうかは市場との兼ね合いなので別問題だとおもう。


先日ちょっと計算したのだけど

プロ将棋棋士130人/競技人口約710万=0.0018%
サッカーA契約J1リーグ25人*18チーム=450人/749万人=0.006%

超一流のプロと呼ばれる人たちの競技人口に対する、比率はそれほど変わらない。人口1万人に1人レベルの逸材であれば間違いなく食ってはいける。だが、そのためにはその下にそれで食えない1万人がいなければならない。その1万人に1人の技能をもってるやつが市場をつくるのだ。
食うだけなら1万人に1人の逸材である必要もない。上位1%の才ぐらいで稼げるだろう。
そこに市場(ムーブメント)さえあればいい。稼ぐためにはここでも技能と市場のマッチングが重要。だからムーブメントが認められる市場においてその上位数%を横串に集められるひとなり組織はやっぱり必要となる。


おまけ、ポストカード

うちのお店もポストカードをイラストレーターさんに頼んだりして、置いてもらったり、書いてもらったりして扱ってみたのだけど、売るのはつくづく難しいなと痛感している。

自分は人の才とかいいところを評価する審美眼はあるほうだとおもうのだけど、営業力に徹底的に足りないものがある。痛感しています。
せっかく書いてもらっているのもあるから、せめて名前が売れて功績になるように営業も成果あげたいです><

↓うちであつかっているポストカード
http://item.rakuten.co.jp/hagurachaya/c/0000000117/
(´・ω・`)殆どがインクジェット印刷だ。なにかいいやり方があればいいのだけど…
[rakuten:hagurachaya:10000077:detail]