若い人が資産形成しても無駄な理由とせねばらならぬ理由

わかりやすい極端な言説のほうが読みやすいしわかりやすい。
だけど、そんなことをいったところで世の中は一様ではなく曖昧なもの。
どちらにも言い分はあるので、あいかわらずここはそんな曖昧ゾーン。

資産形成を図っても無駄な理由

いま獲得した資産が30年後も同価値である可能性はほとんどない。


若者はその労働価値を資産に変えていく。資産がたまるころには老人になっているというのがいままでの貨幣経済のセオリー。老人はその資産で若者の労働力を買う。若者は労働力を売って資産を貯めて老人になる。
だから若い年齢で資産などというのは特別な理由がない限り普通はないものである。


今の若者が老人になる頃になったら、若者の数は老人と比較しておそらく1/3もいない。
(20年後には今の2/3なので、ざっくりと俺予想。)
老人にお金があろうとも若者の労働力のほうが圧倒的に希少になる。
だから、その老人が若いときにつくった資産なんて、他の同世代を黙らせるほどの資産でも持ってでもないかぎり、意味をなさなくなる可能性は高い。座して食らわば山も虚しとはよくいったもの。



他にも、地震のような天災、火災やカントリーリスクで戦争とか預金封鎖とか、財産をそっくり失う可能性というのはゼロにはできない。毎年5%の財産をそっくり失う可能性があったとして計算してみよう。
30歳が80歳まで1億円を保持している確率と、60歳が80歳まで1億円を保持している確率。
単利で計算した?まあシンプルでいいけどね。実際は比例曲線ではなくて、乗数曲線になるよね。たぶん。
だから、ロストだけの危険性を考えても若いうちに資産を形成したから終わりっていうことはありえない。


いま、価値があるものが30年後に価値を逸している可能性や、今は財産的にはゴミだけど30年後には価値があるものなどがある。30年後に価値をもっているゴミで身を固めたところで、それは現在の資産価値にしてみればゴミでしかない。30年後ゴミになるようなもので資産を形成したところでそれはゴミにしかならない。
資産というのはポートフォリオの組み換えなしに、価値を持続するものではないでござるよ。


資産形成を図らねばならない理由

資産というのはなにもお金や有価証券のような有形資産ばかりではない。
スキルや交友関係、市場における(労働市場でも組織の立場でもいい)ポジションなどは無形資産だといえる。


個人的な考えではあるが、若いうちは有形資産の獲得よりも無形資産の形成に力を割くべきだと考えている。
無形資産は有形資産よりも柔軟性が高く、潰しが効いたり、応用や展開、発展が容易だからだ。
若いうちに無形資産を獲得したので有形資産を稼ぎだしたというのであれば、将来的にも価値を持っている可能性は十分たかい。


宝くじのようなもので3億円を得た若者と、毎年300万円稼ぐ仕組みをつくった若者。
(稼いだじゃなくて稼ぐ仕組みを作ったね。)
実際はどうだかはわからないけども、仕組みを作れる若者のほうが30年後に資産を形成している可能性は高い。
若いうちに有形資産を獲得したとしても、その器に入りきらないものはあっというまにこぼれ落ちる。
だから若いうちには有形資産の形成になんか本気にならずに無形資産の形成に本気でとりくむべきなのではないかと思う。


高齢社会白書

平成21年版 高齢社会白書
http://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2009/zenbun/21pdf_index.html

年齢区分別将来人口推計
http://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2009/zenbun/pdf/1s1s_1.pdf

あいかわらずずるっこい図だなと思いますよ。
生産年齢人口はは15〜59歳でひとまとめなんだよね。
年齢ボリュームを10歳で区切ってデシル分析っぽくやるべきじゃない?
ここらへん国勢調査のエクセルをちょいちょいってやると見えるから、自分でみてみるといいとおもいます。
つか、生産年齢人口とかの人口動態についてはOECDとかのレポートが面白かった気がする。
あー。みつかんねぇや・・・




かわりに面白いのみつけてきた。

日本の将来推計人口(平成18年12月推計)
http://www.ipss.go.jp/syoushika/tohkei/suikei07/suikei.html

表1. 出生中位(死亡中位)推計
表1−3 総人口,年齢4区分(0〜17歳,18〜34歳,35〜59歳,60歳以上)別人口および年齢構造係数
http://www.ipss.go.jp/syoushika/tohkei/suikei07/houkoku/kekka-1/1-3.xls

ちょっと面白かったので、この中ぐらいの推計でエクセルをグラフにしてみた。
2050年、高齢者割合46.2%だって!




本当は年齢4区分とかじゃなくて、もっと細かくしなきゃ、本当の怖さは見えてこないんだんけどね。
20台と60台の数字を比率で比較をすると結構怖い数字が見えるとおもうんだよ。
まあいいや。ネガティブな話しだけしてもしょうがないし。
そういえば今年は国勢調査の年だね。楽しみじゃゎぃ。


国外へいく資産

そういえば、今日面白い統計が発表になってましたね。

対外純資産、過去最大266兆円 日本19年連続世界
http://www.asahi.com/business/update/0525/TKY201005250094.html
財務省が25日発表した対外資産負債残高によると、日本の2009年末の対外純資産は266兆2230億円で、比べることが可能な96年以降で最大となった。

平成20年末 本邦対外資産負債残高の概要
http://www.mof.go.jp/houkoku/20_g.htm


為替による影響も大きいようなんですが、日本の居住者による海外への資産移動はすすんでるという結果になっちゃっておりますな。


つか、ソースを当たると、簿価では別に増えてませんね。むしろ減ってるのか。これは非居住者になった可能性もあるのでなんともいえないけど、トータルでみると、負債額の圧縮によって純資産が増えているように見える。
時価ベースに基づく直接投資残高の推計」をみると、なんだかなー、うーーん。



そういえば、日本の国債は家庭内の借金だから大丈夫!とかいう人たちはまだ元気なんでしょうか?
まあ、元気じゃないといよいよもってということになっちゃうので困るんだけどね。


国債→銀行(買受)→民間企業(資本)→外国人投資家やらが国外投資


というか、銀行に降りてきている時点で、為替化しているし、あんま国内も国外も関係ないとおもうんだけど、どうなの?物流になおしても今お金の流れだと2ヶ月と国のラグはないとおもうんだけどどうなんでしょう。
まあどうなるかはワカンナイや。


どうなってもいいようにだけしておけばいいのかなと思うよ。
若いひとは無形資産形成にがんばって!