紅茶屋がECサイトをテイスティング

うちはシステムもわかる謎の紅茶屋なので、小売の側からも、システム開発の側からも両方からお話しができるでござる。いろいろなシステムを導入したり試したりしているので、真面目に検討しているひとの他山の石ぐらいにはなろうと思うのでぶっちゃけ比較をしてみるよ。


楽天(使い勝手は最悪だけど集客は抜群)

はぐら茶屋 楽天
http://www.rakuten.co.jp/hagurachaya/
年間30万ぐらいでスタートできます。うわっぱねは10%ぐらいとられると思ってください。
ここまでわかりにくいCMSはみたことがありません。管理ユーザーとして悶絶します。
普通の物販の会社さんが独力でやろうとしたら専任をつけないと厳しいかとおもいます。
また、専任を楽天大学などにいかせて教育したところで、楽天以外では応用も効かないような知識なので、教育した人材が無駄になりそうです。使いにくいシステムを作って、それを教えてお金をとって、囲い込む。本当に商売上手で感服します。
アイテム情報や在庫のCSV更新が有料とか、もう、なんかいろいろ、あれです。うちは月1万以上をCSV登録に使うほど儲かってないのでやれてません。めんどくさい状態です。
アイテム数や、顧客数が多い場合はそこらへんを加味して先に損益分岐を先に考える必要があります。とりあえずやってみるの選択肢にいれるには、それなりのITリテラシーか、本腰をすえられる時間がないと厳しいサービスだとおもいます。

Yahoo!Store(使いやすいし、そこそこ売れる)

はぐら茶屋 Yahoo!Store店
http://store.shopping.yahoo.co.jp/hagurachaya/
ここも年間30万ぐらいでやれます。ここもうわっぱね10%とられると思ってください。
オークションなどと併用できるのが強いらしいです。うちは紅茶という食品雑貨系なので、オークションはつかっていません。リニューアルが入ってからはさらにシステムが使いやすくなりました。
編集を反映するまではお客さま側には反映されないなど、結構運営する側にはありがたい機能がついています。
在庫の更新や、カテゴリの管理などの機能も強力です。楽天CMSとは比較にならないぐらい便利です。
うちはアイテム情報などを更新するときはYahoo!Storeの情報をマスターにして更新していってます。
ここ一年ぐらいモール経由の集客も急に伸びてきているので、楽天しか検討していないひとは一考の余地ありだとおもいます。

Amazon(雑貨とかを売るならいいかもね)

はぐら茶屋 Amazon
http://www.amazon.co.jp/gp/browse.html?ie=UTF8&marketplaceID=A1VC38T7YXB528&me=A16KDD61NEEG5X
ショバ代が月6000円ぐらいで、うわっぱねが15%とられると思ってください。
基本、janコードがついたアイテムを販売しないと商品登録とかがすごく大変です。
本の通販のサイトなので、いろいろ例外が多くなってしまってうちは大変でした。
商品情報の更新なども融通がきかないので、CSVで一括更新のようなことはできなくなりました。
ISBNやJANコードがついた商品は、他の競合店も参戦してくる可能性があるので、商品登録が基本ない前提になってます。
配送方法も若干のコントロールができますが、うちのように茶葉をメール便で送って送料を安く設定したいなどというお店には大変です。個別配送料を設定すると宅配代金×アイテム数になってしまったり、いろいろ本を売るために仕組みが特化されているので、それ以外をやろうとすると苦労します。ただ、在庫の更新や、ユーザー嗜好の解析が強いので運営には興味深いです。
ちょぼちょぼとは売れます。

カラーミーショップ!プロ(初めてのヒトにとてもおすすめ)

月数百円で、うわっぱねがなしです。
CMSとして、とても正統派ですごく使い易いです。設定もらくちんだし売る方の労力は最低限でオープンまでできます。
また、独自ドメイン+サーバーで運用するよりも安全なのでとてもよいと思います。まずはネットショップを初めてみたいというヒトには一番おすすめのサービスです。
モール経由の集客力はないので、ほとんど売れません。そういう意味でも、実店舗運用とそこまで競合しないのではじめてのヒトにおすすめ。なんでうちは辞めちゃったか?売れないのに在庫の連動管理が大変だったからです……。

EC-CUBE(うちは導入を見送りました)

自前で設置するタイプのものです。最近ものすごい流行ってますね。
プログラムやサーバー側の知識がほとんどなしで導入ができるのと、デザインがそれなりによいのが魅力なのでしょうか?私もはやりに乗っていれてみようかとおもったんですが挫折しました。
SSLまわりで階層が違うと動かないというので、なんでだろうと思って中を見たのが失敗だった。
管理画面のファイルパスをサーバー変数からオンコーディングだったので、おそらくec-cubeで運用されているショップはみんな管理画面の入り口がバレバレなんじゃないかな?
狙われるとスクリプトキディレベルのクラッカーにも突破されてしまうんじゃないかという懸念を抱いてしまい、追えば追うほどそれを払しょくすることができませんでした。
フルスクラッチでつくる手間以上かかりそうです。
お店独力で設置して、メンテしていくのはちょっと怖いなーとおもったのでやめました。
ちゃんとシステムがわかる専任のシステム会社さんが間に入ったほうがいいかと思います。
これでシステム構築を依頼するにしても多少の技術知識じゃなくて、ちゃんとした技術知識をもっているところにお願いするようにしましょう。
あと、すでにEC-cudeを導入しているお店さん。IPA脆弱性レポートとか常に追うようにしてくださいね……。
http://www.ipa.go.jp/cgi-bin/namazu.cgi?query=ec-cube&whence=0&max=20&result=normal&sort=score
ぜい弱性のレポートあがってたりします。
知識が無くても設定できるぶん、ここらへん今流行っている反動で変なことがなければいいなと願う限りです。

zen-cart(とても高機能)

こちらも自前で設置するタイプのものです。
osCommerceとzen-cartで比較してた時期があって、自分はzen-cartを選びました。
ec-cubeのほうがあとから流行ったのでosCommerceとzen-cartの関係のようにフォークされて開発されたものなのかと思っていました。ぜんぜんちがった。
しばらく運用もしてたのだけど、カラーミーのほうが楽ちんだったので、zen-cartを閉じてカラーミーに移動した次第です。ec-cubeとよく比較されていますが、プログラマーの立場でみると、個人的な意見ですがまるで別物です。
ただ、その分、設定までの手数が多く、デザインの編集なども最低限の知識がないとできないので、設定には相応の技能が要ります。知識も技能もなく顧客情報とか商品情報とかのクリティカルな部分をOSSに頼りっぱなしというのもどうなのかなと思うのいで、これでいいと思うのですが…。
もう何年もまえのバージョンなので解決しているかもですが、消費税の丸めなどでおかしいところがありました。商品合計が単価の合計と違うよ!みたいな。もしかしたらバンカーズラウンドなのかなとも思いますが、日本円は基本小数点以下を扱うことがないので、日本版へのローカライズで運用側が気に掛ける必要があるかもしれませんね。
うちは端数がでないようにプライシングをして回避した記憶があります。


Gmarket(まったく売れません)

e-Bayの韓国系?いままでで一回もうれたことがないので無課金です。
何か先方さんが商品の登録までやってくれるというのでじゃぁお願いしますと頼みましたが、半年ぐらいたちますが一回もうれてません。

e-ネコショップ(?)

昨日、美人でセクシーなおねーさんがくろねこにゃーーん!と営業にきたのでなんとなくご紹介。
ショップの内容は…。ごめんちょっと覚えてないです!
てっきりクロネコヤマトさんの配送関係のシステムが新しくなるからその説明かとおもったら、ネットショップつくりませんかの営業でござった。ひっかかったでござる。詳細はここらへんでもみるといいでござる。
http://www.e-nekoshop.jp/
http://www.e-nekoshop.jp/shop/home/432/template/current/dounyujirei.html

総括

ほかにもいろいろなのを調べたりしたんだけど長くなるのでこんなところで。
ネットショップにはいろいろあるけど、大きくわけると2つ。
いいなりになってやるか、ならないか。知識がなければブランドに頼れ!みたいな。


急いで結果をだしたいせっかちさんタイプとのんびりさんタイプがあるのかもしれないけど、せっかちさんタイプは商材を本当に選ばないとやっていけないかもしれません。日本のネットショップはまだ黎明期でせっかちさんタイプのショップさんのほうが多いです。


それこそ在庫をまったく抱えてなくて、注文が入ってから発注かけて、二週間後に発送とかそういうお店もあるようです。売上上位はそういうお店が多いみたいですね。情報商材がいい例だと思いますが、売切り型のお店のほうがはばをきかせているあいだは市場は機能していないのではないかと思います。商店街型と闇市型だとしたらいまはまだ闇市型です。


粗利が8割以上とかの商材をやられるかたがおおいですし、そういう商売じゃないと採算があわない仕組みになっています。一般に小売は粗利はあって4割とかなので、うちの場合2割を切っている商品もあったりしますが、そういう一般的な小売業がネットショップをやっても利益をあげるの難しいです。
というわけで、紅茶屋としていろいろなネットショップをやっていますが黒字になったことはありゃしません!
残念ですね。
言うまでもなく、うちはのんびり派です。まあ、店主が屋根張ったり、キャベツ育ててるぐらいですから(´^ω゜`;)



ECのBtoBの市場規模とBtoCの市場規模の比率がアメリカと日本でここまで差がついているのを考えると、日本ではまだBtoCのネット決済環境は整備されていないように思います。
資金決済法の改正でpay-palみたいのが機能するようになればすこし変わってくるかもしれませんが、まだあやしいですね。送金方法さえしっかりすれば、Twitterでもネット販売はできるので、現在の仕組みはもっとシンプルになりますよね。
価格だけの勝負でしか市場が機能しないようだと、粗悪品を流通させてでも回収を急いだほう市場原理として正解になり、ヒット狙いの山師だらけになってしまいます。


これがそろそろ変わってくれてもいいんじゃないかなと、期待しつつのんびりまっているところです。
ちなみにうちはTwitterでもスカイプでもメッセンジャーでもメールでも注文を受け付けてます。
紅茶をご要望のかたいたらついーとしてくれれば届けます!
Twitterで注文を受け付けるショップがもっと現れてもいいと思うんですよね。
有名なのは、とうふコーヒー(@touhucafe_shop)さんとかかな。


でも、くれぐれも自分の住所はTLに暴露しないように!
あと、ネットショップ構築系の案件。これもお寄せいただければどこかにつなぎます。
紅茶からシステムまで。おいでませ。




もとネタはこちら。

本格的なネットショップを構築したい人におすすめのソリューション5
http://blog.creamu.com/mt/2010/05/post_239.html