地震、防災に関するまとめ2010新春

地震が起きたら水をまずためろだとか、いや貯めちゃだめだとか、俺の方が被害がでかかったとかいやなにこそ俺のほうがとかでもめているらしい。感情的な議論になっているのでリンクとかは貼らないでおきます。
地震に限った話しではないのだけど、事故発生時には現場の判断が最優先されるのではないかと思う。
状況は個々で違うからだ。


他方、防災や復興における集団の合意は形成されているべきだと思う。
そんなわけで、事故発生時(この場合地震)にはみなさんに各自適宜対応してもらうとして、防災や復興時にかんする、アナウンスは周知しておいたほうがいいとおもったので公的なものを中心に纏めておきます。


ちなみに自分は東京に住んでいるので、どうしても東京中心の記事になる。
毎年9月の防災の日あたりにこの手のエントリーをして情報をアップデートしているのだが、ハイチの地震もあった関係や阪神15年ということでこの時期にポストしてみようかと思う。みなさんも自分のすんでいる地域の防災情報を各自まとめて情報を年に1回でいいのでフォロー&アップデートするといいとおもう。


さて、東京が被災すると予想されている大地震は下記の3種類。
地震のなかで唯一予測が可能なのではないかといわれている東海沖と、2種類の首都直下型地震東京湾北部地震、多摩直下地震だ。

被害想定(地震の規模)

地震の被害想定はこちらにかかれている。
http://www.bousai.metro.tokyo.jp/japanese/tmg/assumption.html
通常のケースで5,638〜7,800人 程度の死者が予想されている。


首都直下地震の被害想定
http://www.bousai.go.jp/syuto_higaisoutei/pdf/higai_gaiyou.pdf
冬の風が強い日でおきたケースなどでは1万人を超える死者が予想される。


地震というのは地面が揺れるわけだが地盤がやわらかいところと硬いところでは当然揺れが異なる。
場所による揺れやすさは東京の場合このようになっている。



参考までにこちらは日本全国の場合。
表層地盤のゆれやすさ全国マップ
http://www.bousai.go.jp/oshirase/h17/yureyasusa/
http://www.bousai.go.jp/oshirase/h17/yureyasusa/zenkoku.pdf




東京の場合、被害のエリアもそれぞれの地震のケースで想定済みで、各自治体からも細かくレポートがされているのでご参照いただきたい。



主な被害は倒壊と焼失で、倒壊では地盤のゆるい荒川沿いが被害が酷く、焼失では木造建築が多く残る環状6〜7号線が危険である。
歴史的な背景を言えば、皇居以東は荒川沿いの堆積物が積み重なった土地でもともと地盤が軟弱であるため、震度そのものが大きく長くつづく。
また、環状線以西は東京大空襲で焼け残っているので、木造建築が残っているということがあげられるかとおもう。
こういうどこが被害が大きくなるかがある程度わかっていると、ある程度の大まかな避難経路を想定することができる。
余談だが、千代田区は実に鉄壁! さすが。もし山の手近辺で被災したら自分なら皇居とか避難場所を目指す。
震災直後に山の手近辺から荒川や環八を越えようとするのはかなり危険なのではないかと思う。



区市町村別被害想定結果
http://www.bousai.metro.tokyo.jp/japanese/knowledge/pdf/h18choka/hon7.pdf
また各自治体によって、かなり細かい地域の詳報をだしているところがあるのでご参考いただきたい。
地震とは話しがずれるが、洪水被害なども最近まとめらている。



経済的な被害想定としては112兆円が想定されている。
関東が瓦解することにより日本経済と財政も文字通り瓦解する。
ちなみに阪神淡路大震災の時は10兆円の経済被害。
国の経済や財政がどうも適当なのは、宵越の金を持たねぇっていう江戸気質なのかもしれない。



ちなみにこちらは世界の地震発生場所。(調べるともっといい図はあるかもだけど、、)

http://j-jis.com/data/plate.shtml
日本は4枚のプレートのうえにのる、たわみからできた島であるので、当然地震が多い。びっくりするよね。


地震がおきたらどうしたらいいのか

こうしよう。

発災時の行動(地震
http://www.bousai.metro.tokyo.jp/japanese/athome/action_earthquake.html
1.わが身と家族の身の安全を優先する
2.グラッときたら火の始末をする
3.あわてて外に飛び出さない
4.戸を開けて出口の確保をする
5.正しい情報で行動する


個人的な感想だが、水をためるというのはバッドノウハウではないかと思う。
水道管が破損していた場合、そもそも水圧で水お送りだすので水が出なくなる。
お風呂おけを満杯にするまではもつまい。せいぜい流しのタライかヤカンぐらいだ。
それくらいなら生活用水を確保するという意味でなされるべきだとおもう。
いずれにしろ地震がおきてから貯めてたのでは遅い。
もし、水道管や貯水層が破損して水が漏れていたら貯める。これでいいのではないだろうか?


東京の場合マンション等でも貯水槽がないタイプのものも増えている。若干注意が必要だ。
貯水層が破損する可能性を考えるとライフラインの復旧に対して即応性があるので直結給水方式もそこまで悪くはないのではないかとおもう。
なにより水がよくなるしね。
参考までに「直結給水方式」「貯水槽水道方式」については下記のページが詳しい。
http://www.waterworks.metro.tokyo.jp/customer/service/kyusui-housiki.html


ライフライン(電気ガス水道)の耐震化対応は順次なされている。
電信柱が地中化されているようなところは、それらライフラインのまとめて地中化が進んでいるところではないだろうか。主導管さえ守られば被害は最低限のライフラインは確保される。


被災後の復興

東京都震災復興マニュアル
http://www.bousai.metro.tokyo.jp/japanese/knowledge/material_t.html
こんなものがあった、ちょっとみたけどあまり参考にならない…。お役所とかむけかな…。


防災や地震に対する備え

なによりも防災だ。
防災をするかしないかで大きく変わると思う。
バイクをヘルメットなしで乗るのかどうかぐらい違う。
これはひとりひとりの問題ではなく、その地域の人たちが連携して防災対策をとっているかなども重要だ。
例えば地域にだれひとりとして防災グッズすら揃えておらず、飲料水などの備蓄もしてこなかった場合どうなるだろうか?
奪い合いになる。
混乱がおきる。
充分な物資がいきわたらず、他人を気遣う余裕などうまれない。
衣食足りて礼節を知るとは古くからの言葉だ。
ひとりが水2リットルを用意しているだけで、本当に大きく変わるのではないかと思う。


他には、例えば、うちの商店街ではAEDの講習をうけてたりする。
前回やったときにまだお店をやっていなかったので、自分はやっていないのだが、こういう何かあったときの備えというのは重要なのではないだろうか。


地域のお祭りなどもそうだ。
商店街などでテントなどを張るのだが、テントがどこにあるのかとか、備品の状態や使い方もできる。
普段、つながりのない人たちが顔つなぎをする。
いってみれば炊き出しの模擬をやっているといっても過言ではない。
小学校の運動会などももしかしたら同じような意味があるのかもしれないと、大人になってから思った。
無駄にも思える慣例行事だが、ゆるい連携でもあれば有事にパニックにならずに対処することができる。
町内会や商店街が機能している都内などもうないかもしれないが、せめてマンションやビルの管理組合内でも有事を想定した模擬はしておくべきだとおもう。
お祭り気分で気軽でいい。
平時に機能しないものは有事に機能することはない。


他には、三鷹市の場合、市が無償で耐震化グッズを配ったりしている。

家具の転倒防止器具を 無料で配布します
http://www.city.mitaka.tokyo.jp/koho/2009/20090517/01.pdf

こういうお得情報は自分で探さないと向こうから言ってきたりはしない。要チェック。
転倒防止とか、スリップ防止のものを配られたりしている。取り付けとかも代理でやってくれる。
行政もがんばってる。
みんな地震がおきるとわかっているからだ。
神戸のケースはいささか不幸だった。みんな地震がおきるなんて思ってもいなかったのかもしれない。
東京の場合は30年以内にほぼ90%の確率で発生することがわかっているので、防災は無駄にはならない。


災害が起きる前にやれることはやっておこう。

http://www.bousai.metro.tokyo.jp/japanese/athome/before.html
家の周囲の安全チェック
家族で防災会議を開きましょう
ガラスによるけが防止
救出用具を用意しておこう
生活必需品(非常用品)の準備
飲料水(1人1日3リットル)
食料(赤ちゃんがいる場合は粉ミルク)
救急医薬品類(常備薬も忘れずに)
予備電池(携帯電話、携帯ラジオ、懐中電灯等)
現金や貴重品
保険証、電話帳(アドレスブック)
下着類、タオル、ティッシュ、予備メガネなど
※食料及び飲料水は家族全員3日分が必要
救出用具を用意しておこう


ちょっと強い風が吹いたら吹きとぶんじゃないかというようなお店で一日の半分を過ごしているが、一応、色々考えてはいる。
台形構造をとって、万が一パタンと倒れても応力が庭のほうにかかるようにだとか、崩れても圧死しないようにできるだけ上を軽くつくったりだとか…。コンクリの塀などは道がわに倒れ歩行者に怪我をさせないように、うちがわにワイヤーを張っていたり、なんじゃりかんじゃり。
でも、爺ちゃんの家は……戦前に立てた木造建物なので倒壊する。
うん。なんというか、まあ、関東大震災を神田あたりで被災した爺さんはそれもまた運命と割り切っていらしゃるので、なんとも…。


なんか9月ごろに毎年書いている内容と重複するので、飽きた( ´σ-`)ノ⌒
あんま新しい情報みつけられなかったし。
みんなも防災しようぜ!あと、若干のご近所づきあいしようぜ。
全員よそ者意識の状態で被災なんかしたらどうなるかとか、考えるだけで恐ろしいや。


地震と予測、地震科学

阪神淡路以後、アスペリティとかの情報蓄積がうまくいき地震予知の可能性が高まっている。
プレスリップなどを観測するための設備も整っている。
ラジオなどのメディアも試験的に緊急地震速報網を設けて定期的にテストを重ねているし、電話なども輻輳状態を避けるためにいろいろ工夫がなされている。


P2P地震情報とは
http://www11.plala.or.jp/taknet/p2pquake/
こういう取り組みもすばらしい。


千葉とか北関東で起きるぐらいの地震なら、この速報のほうが早い。
三鷹あたりは存外小さな地震では揺れないので、あまりありがたみを体感できないが、会社とかなら一台これを入れたマシンをいれておくといいかもしれない。俺もお店では入れてる。
去年の気象庁誤報の時は激しく同様した。

後から知って笑ったが、できれば全部笑い事で済ませたい。




今、地震は周期がキーワードなのかなと思う。長周期と短周期。
長周期は長周期振動地震のこと。
まだ耐震構造計算とか地震の被害想定にもりこまれていないのではないかとおもう。
地盤のゆるいところにスカイツリーとか建てて長周期振動とか大丈夫なの?と、少し心配だ。
これが勘案されるようになると被害想定も変わってくるだろう。
共振についてはずいぶん昔からいわれているが、そもそもオイルショック以前の建物は…
・・・私論を挟むのはやめておこう。。


短周期振動については、
プレート境界におけるアスペリティと地震予知
http://www.disaster.archi.tohoku.ac.jp/symposium/forum3/matsuzawa.pdf

アスペリティとは
http://www.eri.u-tokyo.ac.jp/sanchu/Meeting/anzen.pdf

震源のアスペリティ分布を解明
http://criepi.denken.or.jp/jp/pub/news/pdf/den417.pdf

プレート境界型地震とアスペリティモデル
http://jishin-info.jp/column-10/column-10i.shtml


ここらへん。
おれも専門家ではないのでよくわかっていないが、剪断応力を考えたときにプレート間摩擦係数は均一ではなく、アスペリティ(固着部分)の影響をうけ、この破壊により地震が発生するらしい。アスペリティの特定が行えれば地震予測にかなり役立つみたい。

決定論的な地震予知は困
難であっても,GPS と小繰り返し地震
データが蓄積され,大地震の解析から大
きなアスペリティの位置が明確になり,
さらに海底地殻変動観測も軌道に乗れば,
確率論的な中・長期予測はかなり高度化
できそうだという目処がつきつつありま
す.

ヽ(´π`)ノ  研究者がんばれー
みんな応援しよう!
地味なフィールドワークのうえに我々の生活の安全がかかっている。