Lang-8がベンチャー企業としておもしろそう

ひさびさに面白いなぁとヒットしたので、思考実験的に掘り下げてみる。
凄く伸びしろがあると思ったのだけど、ビジネス的な結実をするためにはあとなんかひとつコマが足りない気がする。
なんだろう。なんだろうとちょっと考えてたのだけど、せっかくなので書きながら考える。


今日はプログラマーズカフェの後、mitaka.rbでLang-8のLTなどを聞いた。
内容を聞いてとても面白かったのと、お隣に座っていたのでちょっとあれこれ聞いていた、何かひっかかるものがあるのだけどそれが何かわからない。なんだろう。


Lang-8のことをご存知ないかたのために簡単に説明しておくと、
http://lang-8.com/
(ランゲート)自体は、ユーザー同士が互いの母国語で添削をしあうSNSサービス。
日本人ユーザーの割合は2割程度で北朝鮮以外ほぼすべての国からのアクセスがある非常に日本ではめずらしいワンステップで国際展開済みのユーザー構成になっている。また互助の精神が行き届いているようで、傍目、非常によい”場”が既に形成されているように見える。


添削して、添削されて。
この循環がとてもうまくいっていて機能している。
ユーザーに恵まれたというのもあると思うが、それを引き止め続けるのは運営の不断の努力が必要なので、これが機能しているというだけでひとつの価値だ。初期のはてなを思い出した。


カスタマーサポートに裂ける人的リソースの手当てさえ済めば、ユーザーを増やす戦略をとるのは比較的簡単そうだ。
既に構成されているLang-8のアドバンスを活用するだけでいくつもアイディアが思いつく。
とても楽しいフェイズだ。


だが一方、このサポート人件費やシステム開発費などの、採算にあうビジネスモデルをつけるにはどうしたらいいだろうかと考えるとなかなかおもいうかばない。
単純な有料会員モデルや、広告収益モデルでは、人々が集まる目的と合致しないのではないだろうかと思うのだ。


日本と同等の物価や経済水準を持った国はなかなかない。
だとすると薄く広く集めても、労力のわりに実りが少ない可能性がある。
収益エンジンとしては、先進国やお金を払ってくれるであろうビジネスユーザーをターゲットに据える必要性がでてくる。
それは集客エンジンとは別のなにかになる。



集客サービス
・ユーザーがボランタリーに互いの文章を添削しあう


収益モデル
・有料会員(サービス利便性の向上)
・多国籍なユーザーがいることを売りに広告枠の販売
・多国籍なユーザーがいることを売りに人材マッチング
・多国籍なユーザーがいることを売りにアンケート/マーケティング
・ネット上で可能な労働(データ入力、遠隔プライベートレッスン、テスター)の斡旋仲介
・ビジネス翻訳のマッチング



これくらいしかパっと思いつかない。
ユーザーをいくら集めてもそれを直接収益に結びつかせるのは困難だ。

翻訳してくれた人が翻訳された人にいくばくかのお金を払う仕組みを導入し、このマージンを5%抜いたところで、月1000万円のポイント流通量があったとしても月50万におさまってしまう。
途上国を相手に月1000万の流通させる実費を考えるだけであまり現実的ではないのではないかとおもう。


はてな人力検索の歴史を振り返ると当初は貯めたポイントを換金する仕組みなどがあり、若干ではあるが労働市場として機能していたことがあった。
しかし、でははてなはそれで儲かったのか?というと、疑問だ。
計算してみたら月々数万円だった記憶がある。
結局、はてなの場合はコンテンツを集約することで検索されるにたるコンテンツを集めることに成功し、ビュー数を稼ぐことにより収益を得るに達した。質問者側にしてみればわずかな有価ポイントの支払いで相応な回答を得ることができたので、満足度もあった。
回答者にも満足度があったことを考えると、3方両得の関係があったことだと思う。


そこでLang-8にとって、はてなの広告に相当する収益回収エンジンは存在するだろうか?と考えると、いささか悩ましい。
何を目指して、サービスを展開するかは、費用があまりかかっていない今、さらなる拡大路線をとる一歩手前で考えておく必要がある。


アドバンテージはやはり為替差だろう。
1円1ポイントが普通だが、1円100ポイントぐらいで流通させても1ポイントが価値をもつ可能性が充分にある。


ビジネスユーザーが添削してもらった場合は必ず、ポイントをわりふらなければいけないことにすれば、途上国の人はそれだけで生活の糧とすることができるようになるのではないかと思う。
他方ビジネスユーザーは安価な価格設定で、翻訳のチェックや翻訳そのものができれば充分に依頼する価値があるだろう。


指定の国のビジネス目的の文章添削はビジネスユーザーとして登録してください。
という、縛りを儲けて、
ビジネスユーザーへの回答権を得るには一般の添削をXポイント以上が必要にするとかすれば、環境がくずれないでいいかもしれない。


こうなってくると、人を集めるのも簡単になって、500ポイント配ってX以上の添削、換金は5000ポイントからとやれば、誰かがポイントを買うまでは市場内(サービス内)の総流通量は増えないので極端な赤字になることもない。



んー。
まあ、つまり何かっていうと、日本国内の翻訳者の労働市場がだだ崩れになる可能性があるかもということか。
あと、ネット上で”輸入が可能”な労働市場
ここらへんの販路獲得にむけた営業が機能さえすれば、あとはサービスの成功にだけ注力していればうまくまわるきがする。
いろいろ考えられて面白いステージだよね。


京都の人たちはサポートしてあげてくだちぃ。
あともうワンピースでおお化けステージにのれる気がするんだわさ。



こっそりid:jkondoあたりをidこーるでもしておこう。