次の次の電気自動車のさらにまた未来

次の次の電気自動車のさらにまた未来は、既にかつて来た道だ。
それはコンピューター産業というごく最近の業界の栄枯盛衰物語でなぞることができるのではないだろうか。
電気自動車の世界を追って考えてみた。


序 電気自動車の今

なぜエコカーなのか?

電気自動車が最近はグリーンエネルギー、エコ、ゼロエミッションで話題になり産業としても盛り上がりの機運を見せている。
国をあげて力をいれているところもあるし、もっと言えば国の柱にしてしまったところもある。
ふりかえれば、その歴史の転換点にいたのはブッシュだった。
2001年の同時多発テロを切欠にアメリカは中東へのオイル依存に危機感を抱き、2006年には2025年までに中東からの石油輸入をなんと75%削減するとぶち上げた。国の方針としてだ。
オイルマネーはここから制御を失い暴れだした。
原油先物で暴れ尽くしたあと、バイオエタノールに向き、穀物先物の値段をあげまくって途上国を深刻な状態に落としいれ、そしてまさに濡れ手にトウモロコシの短い春を謳歌したあと、より投機性の高いサブプライムで討ち死にし2008年…冬を迎えた。
(ここらへんの仔細な分析や評価は歴史経済好きの学者肌の人に任せて、ここではここまで。)


そして、2009年
GMというアメリカの歴史がひとつ幕を下ろした。
形的には100年に1度の不況の煽りを喰らったという形だが、もちろん理由はそれだけではない。

cf.

2001年に16ドルだったものが、2006年ごろにかけ50ドルを越すようになり、2008年に147ドルをつけている。

http://www.fuji-ft.co.jp/chart/0n-genyu/index_m.htm
NY原油 月足

原油価格の高騰は自動車産業、物流業界に深刻なダメージを与えた。
GMはハマーに代表される燃費なぞクソデモクラエのアメ車の代名詞ともいうべき会社だ。
その会社自身の燃費の悪さであえぐ一方、日本車のような燃費のいい車や、トヨタプリウスが売れ、ホンダのインサイトが続いた。


なぜ電気自動車なのか?

ハイブリッドカーは従来のガソリン燃料と電気モーターの両方を積んだまさに歴史の転換点にふさわしい車だ。
帆船がその蒸気機関を積んだときに、両方を残していた時期があったが、それと似たような立ち位置なのではないかと思う。
(もっとも帆船はその姿勢安定性とエネルギー効率から見直されているが…)


進化の過程がそうであるように、ハイブリッドカー以外にも、水素自動車やバイオエタノール(バイオディーゼル)、ソーラーカーなど枝分かれが同時進行で進んでいる。
ハイブリッドカーの次に選択されるのは電気自動車であると思っている。
なぜか?
水素もエタノールも基本、爆発を回転に変換する内燃機関だからだ。
給爆排気系のエンジンの延長線上にあるのに、水素もエタノールもガソリンと化学的に比較するとたいした燃焼エンタルピーを持たない。
燃焼エンタルピーとは、平たく言うと燃えたときに出てくるエネルギーのことだ。
同じ内燃系ならばガソリンの方が効率がいい。
牛車が牛のゲップ(メタン)で動くようになりますといえば、確かに凄い。…凄いが、正直、牛にひっぱってもらえばいいんちゃうん?と思う。
・・・言い過ぎた。


内燃駆動系はそのエネルギーの多くの部分が熱として逃げていっているのは確かだ。
石炭や薪をくべて走ってたような外燃機関よりは格段に進歩はしているが、ガソリン車が水素車になったからといっても、そこに二酸化炭素が出ない以上の価値はないように思う。
ガソリン車以外にもLPGやディーゼルがあるが、これと同じように水素やエタノールがラインナップに加わるだけだ。
これは進化ではなくただの多様化だ。
そういう意味で自動車の進化を考えた場合、次のステップはハイブリッドの先にあるもの。
つまり外燃機関でも内燃機関でもなく、エネルギーをそのまま利用できるEV、電気自動車になるのではないか。



日本で電気自動車は三菱自動車のMIVEの量産型によって封切られた。
i-MiEV

http://www.mitsubishi-motors.co.jp/publish/mmc/pressrelease/news/detail1940.html





破 電気自動車の次

ガソリンでなく電気で動くことにより自動車は家電になる。
電気モーターを採用することにより、自動車としての部品点数は半減するそうだ。
部品点数が半減することにより値段は下がり、供給も容易になるはずだ。
が、しかし、MiEVは今のところ、プリウスインサイトほどの存在感を持っていない。
なぜか?
リチウムイオン電池を採用し、その調達が困難で、供給力、価格競争性を奪っているからだ。


なぜいままで電気自動車がなかったか?

根本的なところを一応説明しておく。
電気というものは作ったら溜めることができない。
作った瞬間に何かに使う必要がある。
光、熱、ものを動かすことなどに消費される。
もし、車にもコンセントをつけておくことができたなら電気自動車はもっとはやい段階で普及していたことだろう。
電車だね。
電車は屋根にスライド式のコンセントがついているようなものだ。


電気をいつでも使える状態にするために電気を何か別のものと変換しておく必要がある。
位置エネルギーかもしれないし、熱かもしれないし、回転かもしれない。別にお金でも構わない( ´,_ゝ`)
化学化合物に変換する方法もある。それが電池だ。
電気自動車はバッテリーという名のでっかい電池を積むことによって、コンセントから開放された。
なぜ今まで電気自動車が実用化してこれなかったかというと、単純にこのバッテリーに充分な性能がなかったからだ。
充電に時間が掛かる、長時間走れない、スピードがでない。
これらの問題が電池の性能があがることで解決してきている。


・・・。
電池について、こっから先を説明して理解できる人は、説明しなくてもわかる人だと思うので電池についての説明を放棄する!('Å゜)bアロメルカロメル万歳!(アロメルカロメルで検索したら一件もひっかからなかったよ…。なんだっけ?なんかうなされながら覚えた気がするんだけど…、アルメロカリメロだっけ?はて、なんじゃったかのぉ。)


電池について

近年になって、携帯電話やノートパソコンのバッテリーの性能が伸びてきているのは、この電池の性能が伸びているからだ。
現在の主流はリチウム電池で、MiEVにも使われている。
(本当は境界皮膜関係の技術革新で性能が伸びたと思うのだけど、簡易的にリチウムが採用されたからとにしておいてください。)
従来の車のバッテリーには安価なマンガン電池が使われているが、マンガン電池では車を動かす電源とするには乏しかった。
これがリチウム電池になることにより、ガソリン車と大差がないところまで性能が伸びたわけだ。

リチウムについて(余談)

ガイアの夜明けのEV自動車の回でリチウムの稀少性を煽るようなところがあったが、冷静に元素周期表をみて考えてみて欲しい。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%91%A8%E6%9C%9F%E8%A1%A8
Liが稀少なわけない。日本で取れない?なんで?
Si(シリコン)と同じような煽りを感じる。
需要に対して供給体制が足りていないだけ。もしくは、供給体制を構築、設備投資を行うに足る価値があるかどうか見極めの時期にあるだけだ。いずれ是正されるとおもう。
集めて高純度で単離するのがめんどくさいから、塩湖を使おうぜというだけだと思うのだがどうなのだろうか。


EV自動車あれやこれや

・元祖チョロQカー
http://www.cqmotors.co.jp/hist_qi.html

惜しくもチョロQ自体の販売は終了してしまったが、国内においてその草分けであった存在を無視することはできない。


セグウェイ
http://www.segway-japan.net/

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BB%E3%82%B0%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%82%A4
広義の意味での電気自動車ということでエントリー
画期的な商品だったが、そもそも日本では公道を走ることが許されなかった。


・慶応大学 Eliica
http://japan.discovery.com/we/we003/index.html

大学でも電気自動車なら作ることができる。
しかもただの車ではなく、最高速度370km/h、7.04秒で160km/hに達する。これはポルシェ 911Turboより2秒も早い。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%AB


テスラモーターズ
http://www.teslamotors.com/

ロータス社からシャーシの提供をうけ、3000個以上のパソコンのリチウム電池流用しバッテリーにしている。

1回の充電で244マイル(393km)まで走行可能。最高出力はそれほど大きくないが、モーターによって低回転域から高トルクを発生させられるため、最高時速201km(安全のため制限されている)、0-60マイル加速が3.7秒
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%86%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%83%BB%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%89%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%BC


・eZone CT&T
http://ezone.nafca.jp/
韓国のゴルフ場のカートメーカーが製造、開発した電気自動車。わずか14ライン工程で完成する。
1/5ガイアの夜明けでも取り上げられた。
日本の自動車修理工場の団体が3000台の輸入を行った。正直ちゃっちくて安っぽいが、価格は50万。
・・・と言ってた気がするのだけど、確認したら200万だった。200万は無理価格だろ。
http://ezone.nafca.jp/index.php?price


・HSVP

http://www.hsvp.info/
http://hsvp.hamazo.tv/
http://welovehamamatsu.com/e1562017.html
http://www.plantr.com/
http://www.suac.ac.jp/education/teacher/design/mmdp/hada.html

(公知目的のニュースということでスキャナ画像をもって引用しますが、もし権利侵害ということであればご連絡ください。取り下げます。)
2010/1/3あたりの朝日新聞に載っていた。ネットに記事が無く、面白かったのでスクラップ&スキャンした。
3輪車らしい。鉛電池を使うことにより価格を抑えるそうだ。
理由はわからないが許可されないというのは笑った。
都内のタクシーなぞトゥクトゥク(バタバタ)か、オートリクシャーで充分だろうと思っているので、その気持ちはよくわかる。
規制仕分けが進むといいですね。
あとネーミングで損していると思った。HSVPじゃ覚えられない。


・HONDA U3-X
http://www.honda.co.jp/ASIMO/new-tech/u3x/

ちょっと自動車じゃないけど、重心等の自動制御も避けて通れないと思う。
これは一度のってみたいけど、うっかり段差からおちて大変なことになりそうだからそこが解決できないとオート制御で実用化は無理っぺぇ。


急 電気自動車の未来

クルマはパソコンになる。
もちろん比喩。
クルマはコンピューターがかつてあるいた道を歩いている。
パソコンもかつては何千万もする大型のコンピューターだった。
パソコンはいまや数万円で手に入るありさまだ。
なぜか?
部品の規格化が進みOEM化が進んだからだ。
かつてはどのメーカーも純正の機材をつかっていた。
だが、今パソコンの箱の蓋をあけると部品はどれも外から買い揃えたものだ。


電気自動車はその機構に内燃機関であるエンジンを持たない。
だから多種多様なメーカーが参入可能になる。
自動車メーカーは電気自動車が来たさらに先にシャーシ(車体骨格)屋さんになるだろう。
それからの動きはパソコンほどではないにしても、業界地図が変わるのに20年もかかるまい。


現在大手の自動車メーカーは技術による差別化の本質はエンジン。内燃機だ。
だから水素だなんだとあがいているのかもしれない。
だが、エンジンが電気駆動のモーターになれば、その競争優位性は奪われる。
職能も奪われてしまう。
バッテリーも汎用品になり、タイヤも他のメーカー制であれば、残されたのはガワだけだ。
部品点数が半分になれば製造工程も短くなり人がいらなくなる。雇用も奪われてしまう。
先発メーカー故のハンデになりかねない。
他の業界がそうであったように、もっと単価の低い小規模な業界になるだろう。
自動車メーカーは安全性を売りに骨格とデザインを売っていくしかなくなるかもしれない。
もしくは、逆にさらに大型化して、クルマではなく道路を提供するような事業…、例えば物流新幹線構想のような形しかないのではないかと思う。


いずれにしろ内燃機関というものは、蒸気機関と同じ道をたどるように思う。
もっと先には電気モーターというのも同じ道をたどるのかもしれないが今のところまだその姿は見えていない。


電気メーカーが自動車メーカーからシャーシを買って、中身をつくることになる日もくるだろう。
クルマの蓋をあけたら、電池がSONY東芝とか、Panasonicで、太陽光発電SHARPが絡んでくるかもしれないし、発動機でかつては猛威があった日立が息を吹き返すかもしれないし、総合電気のNEC富士通などはしれっと普通にクルマを売っているかもしれない。


自動車の部品が規格化され、モジュール化される未来はきそうだ。
部品を組み合わせて自分で選べるようになるだろうし、そういうカスタムショップ、セレクトショップ的な社会になるであろうと予想する。
それがいいか悪いかはわからないが、遅かれ早かれ自動車は家電になる。
家電と同じ道をたどる。



おまけ・・・うわごと。

リチウム電池ってどうなのよ。他の電池って今どうなってるの?
つか、ノートパソコンのバッテリーをそのままカチャコンカチャコンと10個ぐらい嵌めておけばよくね?
一個1Kgぐらいだから、バッテリー交換も充電なんかしなくても、いざとなれば半分ぐらい交換すれば動くじゃんね。
となってくると、結局送電網なんだよね。送電網配備だよね。最短経路は粘菌君あたりに解決してもらたとして、やっぱり銅か?
銅じゃつまらないな。
無機的にはSi(ケイ素)まわりもうちょっと派手になってもらって、B(ホウ素)にもがんばってもらいたいな。
Bはもっとやれば出来る子だとおもうんだけどな。CにもできるんだからBやSiにもできるよ!
ここらへん結構有望だとおもうんだけど、有機合成についで無機合成とか分野できないかな。
カーボンナノチューブはいまのところ金より高いらしいけど、これも時間の問題だよね。
とすると銅いらねぇか。つか、建材としての鉄もいらねぇんじゃねぇかな…。
建材、コンクリートという点でもやっぱりSiに頑張ってもらえばもうちょっといいのができるきがするんだけどな。
CくんとSiくんでもうちょっと仲良くできないの?


あ、電気モーターの先の影あったの思い出した。
水素イオンモーターとかあったな10Dmmもねぇけどw




てなことをガイアの夜明けをみながら書いてたらもう夜中だ!
ガイアの夜中!( ´^?^`)あっはっは。


http://www.tv-tokyo.co.jp/gaia/backnumber/preview100105.html
日経スペシャル「ガイアの夜明け」 1月5日放送 第398回

新春拡大版
電気自動車ウォーズ 
〜ガソリンから電気へ 革命が始まる〜


つか、電気自動車じゃなくて、人力とハイブリットな電気「自転車」が来て終わる気がしなくもない。



なんか色々みてたら、夜明けになってしまった:(;゙゚'ω゚'):