拝啓こちらは地獄です

拝啓
物見遊山で地獄まで来ています。
天国にも飽きたので無理をいって遊びに来てみました。
こちらでは聞いていたような凄惨な拷問は見受けられません。
地獄も人権なるものを重視をするようになったとのことです。
鬼の方々が罰を与えることはありませんが、何かを与えることもありません。
亡者の方々は自分で考えてなにかをしなければいけないそうです。
自ら肉体に責めを負う古風なひとも居るそうですが、鬼からそんな事はしてはならないと咎められるそうです。
罰があたえられることはありませんが、かといって目的を与えられることもなく、褒められることもないそうです。
拷問よりは苦痛はないはずなのですが亡者のみなさまは何やら苦悶の表情を浮かべています。
亡者の中には鬼の役割を勝手に演じるものもいるそうで、加減を知らず鬼よりも残酷な仕打ちをしてしまうそうです。
今では、地獄はこんなありさまです。
話に聞いていた地獄の様相を残しているのは、亡者の方々が義務感からつくりだした満員電車ぐらいでしょうか。
満員電車の中では皆、苦悶に満ちた表情こそしていますが我先に乗り込まんとするほどの人気となっております。
あと何十年かしたら戻りますので、ご心配なきよう皆様にもお伝えください。

                        敬具




(゚д゚)<こういうのはこのブログで書いてこなかったんだけど、まあ気分転換。配置転換。テンテンカンカンテンカンカン。なお、本文は実在の人物や社会背景、などとは一切の関係はございません。全部気のせいです。