選挙と経済
選挙から一夜あけ外は台風である。
選挙
民主党の大勝で選挙は幕を閉じた。
政権交代をしやすいようにというのが小選挙区の醍醐味であるそうだが、小選挙区の恐ろしさとはかくなるものかと体感できた。
カナダの小選挙区選挙で与党が169議席からわずか2議席になったことがあるそうだが、今回の日本の選挙も先進国の選挙として歴史に刻まれる選挙となったかもしれない。
選挙結果
それにしても議席を取りすぎである。
民主党もいずれは党が割れたりともう一段あるのではないかとは思うが、しばらくはこの体制でやるよりあるまい。
まずは与党一党独裁が続きすぎていた弊害が現れることになると思う。
民主党がやるべきことは状況把握のため情報収集に全力をそそぐことになるだろうが、集めた情報を公開できるかどうかがひとつの試金石になるのではないか。予算とその実行関係で揉めたり、密約公開でもめたり、人件費でもめたりとてんこもりが予想される。
官僚
官僚側の「いままでこうしてきました」の慣習が通じなくなる。
一生懸命使いこみをして民主党が政権についたときにはビタ一文残さないという頑張りをしているところもあるみたいだが、なみだぐましい抵抗である・・・。
自分が征服側の統括者ならまずやるのは配置換えだ。
実務を担当していたような人物を取り払うと実行上で弊害が生じるので、頭だけをスライド式に挿げ替える準備をする。
そうすると悪事などが露見しやすいし、よい取り組みというものも他に波及するのでいいことづくめである。
責任者を変えると組織に問題があるのか、体系に問題があるのかの切り分けもしやすい。
ただもし悪事や問題が露見した場合、その対応や対策に心を砕いた新任の有能な責任者が責任を取らされることぐらいだ…。
有能であるが故に責任をとらされる。
皮肉な話だが、組織運営としてはそのような人材抜きには回らない。
さて一掃された伏魔殿からは一体何がでてくるのだろうか。
経済
市場はいまのところ政権交代を好感している。
経済刺激策はあるが戦略がないとは昨日テレビ東京で誰かがいってた言葉。
鳩山代表は内需の成長戦略の主軸に「ものづくり日本」から何にシフトするかについて、陸海空と何か友愛的なことを言っていた。
これが具体的に何をさすのか政策議論がすすまないことには見えてこない。
IT、農業、海洋資源、グリーンニューディール。
他には何を並べるのか、どれくらい本腰でやるのかが気になる。
懸念
懸念だらけだ。
自民党
自民党も与党だからという理由で取り巻いていた連中も多かったことだと思う。こちらもどこまで体制が維持できるかは注目である。献金が無くなったりしたりする可能性もある。
そういう意味では適度なタイミングで政権交代がないと硬直化しすぎた癒着はよくないのかもしれない。
さらには自民党のご老体方々。
夏の選挙である。
老体に鞭打って激しい選挙戦をした後の落選では体力的にも気力的にも精根尽きて逝ってしまう人もでてくるのではないかと心配する。