このまま首都直下型地震を迎えると日本は破綻する

その確率は30年以内に実に70%を超える。



9/1は防災の日だそうだ。
さっきテレビを見てたら「首都直下地震 見逃された危機」を見て脳みそが刺激されたので、なんとなくだらりと書いてみる。
http://www.nhk.or.jp/special/onair/090901.html



さて掲題の件。
単純な受け売りで言えば首都直下型地震は今後30年間に70%の確率で起こるといわれている。
ちなみに東海沖地震は30年内に87%の確率だ。


毎年この時期になるとこの手のエントリーを書いている気がするのだが、ブログが毎年綺麗さっぱりリセットされているので今年も情報をアップデートしておこうとおもう。
(品質管理の原則、古いドキュメントは回収しアクセスできないようにしよう!)


先月8/11静岡県震度6を観測し、高速道路が一部損壊した地震マグニチュード6.5と推計されている。
コレに対して、東海沖地震はM8.7前後が推定されている。
マグニチュードは1変わると32倍変わるので単純にエネルギー規模で比較すると先月の地震の約1000倍のエネルギーということになる。昨年5/12中国四川省震源とする地震マグニチュードが7.8だったことを考えると比較がしやすいかもしれない。
一方、首都直下型地震は予想マグニチュードは7.3として推定されている。
これは関東大震災阪神・淡路大震災と同規模の直下型地震だ。


この二つの地震の発生する確率があなたがまだ50歳より若ければ存命の間に起こる可能性が両方とも実に70%を超えているのである。もしあなたが地震に対する備えがまったくの無策であるならば、ただちに最低限の備えをしたほうがよい。
防災訓練はなんの為に行うのか?非常用品はなんのためにあるのか?
きたるべき本番の為だ。
あなたが備えることによりあなたを救出する手間が省け、物資の面で混乱に陥らずに済む。
地域や会社で場所を同じくする人に震災への備えを薦めることは結果自らの身、家族友人を助くことになると思う。



タイトルを含め、いささかあおり気味に書いている。
かなり高確率で予想される現実ではある。
そうまでして危機感を煽っても備えの無い人は備えないところが悔しいところだが、せめても良識のある人たちだけでも対策を進めてもらいたい。
このブログを流れ着いてトピックに興味を惹かれ読むような人はもとより危機感のある人なので、ことさら煽る必要もないところが皮肉な話しではあるが・・・これもさだめ、説いて回わってください。



予想される物理的な被害

首都直下型地震の場合、阪神淡路大震災の被害をなぞればよい。
こちらは東京都のホームページに地域ごとの詳細に被害想定がでている。

首都直下地震による東京の被害想定報告書
http://www.bousai.metro.tokyo.jp/japanese/knowledge/material_h.html


概要をさらに要約する。

http://www.bousai.metro.tokyo.jp/japanese/knowledge/pdf/h18choka/hon5.pdf
地震動(地震のゆれ)
M6.9 の場合、区部東部を中心に区部の約23%が震度6強となる。
M7.3 では、都心から区部東部にかけて6強の範囲が広がり、区部の約49%を占める。


建物被害(風速6m/s)
M6.9 の場合、約6万棟(2%)が全壊、約21.5 万棟が半壊となる。
M7.3 では約12.7 万棟(5%)が全壊、約34.6 万棟が半壊となる。


火災による建物被害
M6.9 の場合、都内の建物約270 万棟のうち、約18.3 万棟(約7%)が焼失
M7.3 では、約31 万棟(約11%)が焼失し、焼失面積は約98km2


人的被害(風速6m/s)
M6.9 の場合、約2,800 人が死亡し、このうち約51%の約1,400人が火災を原因としている。
負傷者は約75,000 人であり、このうち約11,000 人(約15%)が重傷者である。
負傷の原因としては、建物倒壊によるものが約32,000 人(約43%)、屋内収容物によるものが約24,000 人(約32%)である。
M7.3 では、約5,600 人が死亡し、約159,000 人が負傷する。


ちなみに揺れるのはこんな地域
http://www.bousai.metro.tokyo.jp/japanese/tmg/assumption.html

ここらへんも細かい情報は防災関連のホームページにグーグルアース並みの細かさで詳しく出ている。
自分の地域が震災時に火災になると想定されているのかどうかぐらいは確認しよう。



予想される経済的な被害

NHKの番組によれば被害総額は112兆円と推計されているそうだ。
この額は色々含んでいないものがあるので関連で考えるとさらに膨らむことだろう。
平成16年新潟県中越地震が起きた際に、国や行政は被災者に対して助成を行ったが、同額の助成を首都直下型地震が起きた際にやると国家予算を超えてしまうという計算があると聞いたことがある。
首都直下が起きると日本が破綻するといったのはあながちうそではない。
危険なほどまでに日本は経済を東京一極集中しており、それなのにバックアッププランが無い。


冒頭に述べた番組でも、
BCP(事業継続計画:Business Continuity Plan) について述べられていた。
先般おきた新型インフルエンザの時もそうだったが、行政のみの主導でアクションをとられると経済が止まってしまう。
「10日間空港に足止めされた。」
では、社員への休業補償や取引先への保証などはどうなるのか?
社員が出社できなくなったときは?
現在経営者間でも勉強中だが(11月に労務を重点に新型インフルの経営者向けセミナーします)
ではインシデント発生時にどうするんだ?というときに事業継続計画は残念なほどない。


新宿の高層ビル群は道にたいして変な方向を向いてたっていることに対して変なうわさを聞いたことがある。
地震の後を想定して道が引きやすいようにあれは建っているんだよというものだ。
もしかしたら、日本人は大震災発生時にそれを継続しようと努力するよりも、瓦礫の山から裸一貫やり直したほうが早いと考えているのかもしれない。
少なくとも今言えることは、現在の体制では首都直下地震がおきると日本の経済は幕を下ろすことになる。
もしかしたらそれはものの哀れを体現した日本人らしい幕引きなのかもしれない…。


なにができるのか

避難先をさがして家族と打ち合わせしておこう

もしあなたが東京に住んでいるのであれば自分の地域の防災マップを確認しよう。
http://www2.wagamachi-guide.com/tokyo_bousai/

家具等の転倒防止をしておこう

これは三鷹市だけの取り組みかもしれないが、たんすなどの転倒防止器具が行政から無料で配られたりするので地元の行政の情報を確認してみよう。

http://www.city.mitaka.tokyo.jp/koho/2009/20090517/p1.htm
■家具の転倒防止器具を無料で配布します対象:市民または外国人登録をしている世帯
 これまでの大きな地震では、負傷者の多くが家具類の転倒・落下によってけがをしています。今後、東京に大地震が発生すれば、都内全域で5万人以上もの人が同じ原因でけがをするという想定データもあります。そこで市では、これらの被害を減らすため、6月1日(月)から家具の転倒防止器具を無料で配布します。取り付けが困難な世帯に対しては無料で取り付けも行います。

生活必需品(非常用品)の準備をしておこう。

特に水だけは確保する必要がある。
東京は住宅の高層化で避難所に避難しきれない避難難民がでる人口密度である。
これに帰宅困難者があわさり物資の供給まで相当の時間がかかることが予想される。

地域の住民を知っておこう

東京は地域のつながりが希薄になっているとは言われる…。
お店をはじめ商店街に入り、お祭りの準備やらなにやらでご近所とのゆるやかなつながりができている。
そこで知ったのは、結構商店街って防災にむけて頑張っているということ。


例えば自分のところの商店街などは全国に先駆けて商店主達が応急救護の資格をもっている。
(なんと、みんな更新期限を過ぎて失効したらしいが!それでも知識がないよりはいいだろう…。また取り直すそうなのでそのときは是非俺もとりたい。)
祭礼の時に野外テントをみんなで連携して張ったりするのも災害時に役にたつだろう。
かなーーり地味な取り組みばかりなのだが結構、世の爺様方というのもがんばっているものなのだなと痛み入り候。
なかなか普通に生活しているとつながりがもてないかもしれないけど、ひとりでもその地域に知っている人がいるというのは心強いもの。マンションの自治会でもなんでもいいからご近所付き合いもたまにはどうぞ。




そんなわけで防災の日でした。