情報税の世界

なんじゃこりゃー

海外からの音楽や広告配信に消費税
財務省14年メド 国内と公平に
http://www.nikkei.com/article/DGKDASFP28004_Y2A620C1MM8000/

面白いっつうか、ほんとなんだこれは状態 ( ゚д゚)!?
通常、二国間の二重課税を防止するために日本は大抵の国と国際租税条約を結んでいて、国内法より条約のほうが優先されるんだけど、外国で事業を営んでいる事業者に対して、日本でも営業しただろと徴税部隊が向かうって胸熱。


ちょっと運用や適応範囲を間違えるとエライことになりますよね。
一歩間違えると、武富士の子息の追徴課税みたいな事(※)になれば、国の税収をまたまた吹っ飛ばすことになっちゃう。
※香港に住んでいた武富士の子息に対して相続税1,585億課税したが、在外邦人で納税義務がないことが裁判で確定し還付加算金を約2000億を返納しなければならなかった。還付金で1ヶ月分の相続税収の倍に相当し、史上初の月の税収が752億円のマイナスに陥った事態をしれっとやらかした事件のことである。
cf. http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK15022_Q1A420C1000000/



つか、情報(データ)に課金するって、新たな貿易関税みたいなものなのかなと思いました。情報流通関税みたいなもんじゃないですか?20世紀のテクノロジーで解釈をするのであれば、電話でおこなわれた契約で課税をする試みみたいなものです。いままでは基本お金を稼いだ人がいる国が徴税していました。
しかし今回のケースの場合、お金を払った人が居る国でも税金を払ってねという取り組みになります。


しかし、これは難しいですよね・・・。
よく脱税などで国税当局と見解がわかれたみたいな台詞がありますが、この場合、二重課税の問題で各国ごとで見解がわかれそうです。条約の場合国内法より上位にくるので扱いが厄介になります。


EUで似たような制度があるというのでどういうものだろうかと調べてみました。

欧州付加価値税制度の概要
http://www.pwc.com/jp/ja/tax-services/european-vat/assets/01_vat_outline.pdf

これのことかな?該当国にて営業活動をおこなった事業者が納税義務を追ってくださいねという制度のようですね。
つまり、あなたは在外営業団体だけど、EU内で営業拠点もっているよね!という解釈になります。
一応、筋は通ってますが、やっぱりこれも難しーなーとおもいます。



「外国で買って、日本に持ち帰る」のはオンラインで、しかもデジタルデータだと日常茶飯なので「どこの国で営業した」はオンラインでは非常に線引が難しいところです。データの流れを考えた場合、やりとりが二国間に収まるとは限らないので利害関係国はさらに増えます。


アメリカに拠点をもつお店がアジア拠点として香港にサーバーを借りて営業し、そのお客さんが日本人であった場合、主たる営業拠点はアメリカなので、アメリカで納税すればよしとするのか、それとも商売が成立したのは日本なので、日本が課税するのかはそれぞれの国で非常にシビアな”シノギ”の問題なので、ヤクザのショバ代よろしく揉めるのが目にうかびます。


いままではその人がどこにいるかや、生活の拠点となるところが「どこか」で、属地主義で法律や税金などの義務が発生していましたが、仮想世界ではそれを越境するということは、なわばり争いに火をつけるような感じです。



いままでは営業者と消費者の居住地が異なることはレアケースでしたが、課税拠点を営業した人の居住地で所得税課税をするのか、消費した人の居住地で消費税課税をして、そのうえで納付義務を営業者に負わせるというのは、果たして、納税義務がその国に住んでも居ない在外人にあるのかという根本的な問題と向き合わなければなりません。
実効性はさらに疑問です。実行の不公平があってはならないうえに徴税コストが超税額をうわまわるような事があってはならんと思うし、結果還付金で税収マイナスだと国がたちゆかんくなっちゃう。


海外に口座をもって、そこから引き落とされるような仕組みにしたらどーなのかしらみたいなのから、通貨じゃなくてどこかで兌換された仮想ポイント流通だとどうなのかとか、クレジットカードとかpaypalみたいなものの引き落とし国はどうなのかとか、疑問はもりだくさん。だって、skypeとかで英会話教室してくれるフィリピンのおねーちゃんとかに日本の消費税をおさめろって実質無理じゃね・・・?消費税納付の猶予の範囲をひろめにとってAmazon税とか、Google税として運用するってことなのかな?(結局在法消費者だけ税金に税金かかってまーすみたいになりそう・・・)


仮想流通がさらに進むと、営業をした国と消費者の国と供給者の国とでモノとカネの流通が著しく一致しなくなる事態が将来的に想定されるわけで、国と通貨という枠組みはEUのように真剣に考えなければならないのかもしれません。
EPAとかFTA締結国相手にはどう運用するのかとか、TTPとか絡んできたらどうなるのか?とか、いろいろ気になるところです。国も赤字ばっかりだからがんばって稼がないとね〜。


( ゚ё゚)ノ ちょりーす