40年後の40といわず来年あたりからつかえそうな12テーマ

原文
http://www.toffler.com/docs/40%20for%20the%20Next%2040%20101011%20FINAL.pdf
40のうちいくつかをポロポロ和訳したダイヤモンドの記事
http://diamond.jp/articles/-/10609
これは40年という長いスパンではなく15年でおきることではないだろうか?
面白い着眼点なので自分なりに原文もよみつつまとめてみた。

政治分野:POLITICS

・力を持った国家の多極多在化
・国家ではない組織の躍進

国家を上回る組織

ウオーレン・バフェット&ビル・ゲイツがタッグを組んだ。彼ら1人でも国家規模なところにさらに40人の大富豪が続いた。(http://d.hatena.ne.jp/kuippa/20100806資本力で並の国家組織を優に凌駕する。重要なのは彼らは土地に縛られていないということだ。新しい国家ともいえる組織体系を提言することになるだろう。
ボランタリーな慈善団体といえば聞こえがいいが、内部で完結できるだけの経済力とその土地に縛られない自由性は、主権者たる土地に縛られた国民からのみ判断を迫られる旧態然とした国家組織のそれとは根本から異なる。
近代政治が生まれたローマポリス時代。議決権を持った市民が実際はごくわずかであったように、彼らの共同体の意思決定には資本力という武器を持たずには介入することができない。武力介入も難しいことだろう。もしすれば国際経済への参加権を犠牲にすることになる。第二次世界大戦時にロスチャイルドやロックフェラーがおこなった近代銀行創設のそれに近いが、さらにそれよりも利害関係者が少ない。新しい芽吹きといえるだろう。バチカン市国モナコ王国のような、”それだけ”ではない資源を持った人々が組織しつつある。

新しい経済共同体

20世紀にソビエト連邦が解体し、逆に欧州連合EUが実現に至ったのも重要な節目のひとつである。原文では中東が注目されているが、ここは日本なのでアジアだとインドネシアシンガポール、マレーシアなどの国々が将来形成するであろう経済圏に注目したい。
アフリカでは中西部の国が楽しそうだ。ナイジェリアやトーゴなどの左側。紅茶がとれる国はだいたいいい国だ。

宗教と政治

もともと切り離せてなかったんだ。あとはどう認知、和解するかだけだよね。いつだって異教徒同士は争うものだ。
安住の地が少なくなればなるほどその争いは激化するのではないかと思う。日本で政治団体へ課税する時代がくるだろうか?NPONGOに課税する日がくるだろうか?
昨日神社にいったら江戸時代に移転してきたときの謂れが書いてあった。江戸時代からご領地として免税だったらしいぜ。だいたいが古代宗教なんていうのは人治における法を説くようなものだからして、治政には有効なんだとおもう。
毎週教会にその地域のひとがあつまるキッカケをつくるとか、お祭りのときに人々が共同で作業をするとか。
共通の知識や共通体験は価値観の情勢にとても重要。異なる価値観のもとでは統治統制は難しい。
日本がコミュニケーションとして楽なのは義務教育のような背景で個人の背景がかなりそろっていることだ。
昔から「祭りごと」って「政治」のことをさしたしね。



テクノロジー:TECHNOLOGY

・技術者のオープンな連携が新しい改革をおこす
・応用化学、応用生物化、放射線学、放射線測定器、気象観測機器での発展
・大量生産時代の終焉とオンデマンド

技術者のオープンな連携

それってつまりプログラマーズカフェみたいなことですよね。
プログラマーに限らず、そのような技術や知識を持った人たちの連携は今後ますます重要になるとおもう。
ものが無い時代には物を扱う商店街や百貨店に重要があった。
有能な技術者や技能をもったひとを探すコストがあがりつつある現代では技能者の商店街みたいなものがあれば流行るとおもうよ!
これは面白いテーマなのでまた考えよう。

進展科学分野とセンシング

先進的な発展を遂げるのは次の分野だという。
chemical, biological, radiological, nuclear and meteorological sensors
radiologicalは直訳すれば放射線学だが、実分野に直すとどこだろうか?
放射線というとレントゲンなどをおもいうかべるが、実際には放射線による分析化学分野やMRIの方面だろうか?
meteorologicalは気象。気象のセンサーは興味深い。気象予想は過去のデータの類型からの推測予測にすぎない。しかも過去のデータで最も古いものでさえ江戸時代の江戸の天気のような局所的な記録しか残っていない。地球温暖化まわりでIPCCが過去のデータから気温の変動を公表しているが、近代的な観測は世界大戦以降たかだか数十年のことだ。
局所的なセンサーをネットワーキングすることにより天気を予測できるようになる時代がくるとおもう。
また、ここでは上がっていないが、センサーはロボテクにも必要不可欠な基礎技術となる。
東大の浅間教授いわくロボットテクノロジーの重要な点は下記2つだという。

1.リアルワールドのセンシングをおこない
2.アクチュエータ(運動機構)をもつもの
http://d.hatena.ne.jp/kuippa/20100507/1273198452

Kinectの赤外線センサーなどの機構をみると震えちゃうぐらいビックリする。あれもセンサーだ。リアルワールドをセンシングして、仮想空間に展開するARのような拡張現実でもいい。これらは我々に想像だにしない未来をもたらしてくれることだとおもう。
他にあがっている化学や生物化はシンプルだ。研究室で基礎研究から応用研究に発展するのに10年、製品化するまで30年かかるといわれている。つまり、15年後を知りたければこの15年にどんな基礎研究がスタートして、現在何が応用研究まで進んだかを調べればいい。


量子コンピューティング

量子コンピューティングっていがいとすぐそこまで来ているのではないかと思う。個人的には量子サイバネティクス、とくにツァイ・ヅァオシェン(蔡 兆申)氏をフォローしたい。なんとなく知っただけだけど。
http://www.riken.jp/Qcybernetics/2_research/research_a01.html
量子コンピューターができると、物理シミュレートが飛躍的に跳ね上がるので量子コンピューターの時代は短いかもしれない。ああ、そうなるとビット型のコンピュータも歴史的には実際にはたかだか数十年となってしまう。
化学反応やDNAがコンピューティングの方法として検討された時期もあったが、その類型で現代では荒唐無稽にあつかっているようなものが主役になるかもしれない。
人間がイメージできるようなものはどんなに荒唐無稽であっても不可能ではない。大体がイメージのほうが現実よりも貧弱だ。
量子コンピューターだの量子テレポーテーションなんてそれこそ成熟してきたのではないかとおもうのであと10年もまたずして製品化までいくんじゃなイカ


社会分野:SOCIAL

・都市化の加速と国際的な人の回遊
・人口構成の変化
・国家や企業はソーシャルネットワークの影響を避け得ない

老齢者人口構成

人口は唯一確実に予想できる未来である。
人口動態学は日本ではなかなか体系化されない学問であるのが残念でならない。
日本が20年後に今の労働者人口が2/3に縮減してしまうのは今生まれている0才児の数を数えれば済む話なので周知の事実。他方今好調な中国もその世代構成はヤバいものがあるらしい。詳しくは調べていない。というか中国政府が自国の住民の数も把握できていないのでよそ者には余計わからない。
一方ブラジルは10年後ぐらいに人口ボーナスがつく。こっちは楽しげだ。

宗教

GLOBAL RELIGIOUS DYNAMICS WILL IMPACT THE POLITICAL, SOCIAL AND SECURITY ENVIRONMENTS OF THE FUTURE

漠然としているけど以上。

経済・ビジネス分野:ECONOMICS

・中国
南アメリカ
・知恵こそが首都の主要の資源になる

中国

中国は、長期に渡り、世界的な経済パワープレイヤーであり続ける

今後40年というくくりで言うならちょっと自分とは違う。個人的には中国沿岸部は日本に遅行することわずか10年程度なので先進国病を患うのは早いと思う。そして上にもあげたが人口動態が問題だ。一人っ子政策の影響で働き盛りは以外と少なく早い段階で高齢者社会に突入することが見える。

南アメリカ

久しぶりにあった知り合いが数日前に5ヶ月間のブラジル滞在から帰ってきたばかりだという。会社のお金で語学留学をして、週の半分で大学に通い、残りの半分でブラジル中を旅行してたそうだ。ムキーっとなった。ウラヤマシス。大手なので、おそらく将来ブラジル進出のさいに尖兵にさせられるのだろうが、それはそれで未来のあることだとおもう。
そこでその企業の上役が報告をうけるよりまえにどんな感じだったか聞いてみたのだが、よけい羨ましくなった。
日本人移民100年を迎えて、文化的にも近いものがって日本人には過ごしやすいそうだよ。治安も全然いいらしいし。
ブラジルにはこれからオリンピックもワールドカップもやってくる。HOTなんじゃなかろうか。
問題があるとすれば南米で紅茶屋はおよびでないことかな。

都市資源になる知恵とOBSOLEDGE/無用知識

※無用知識=OBSOLEDGEとは、obsolete(役に立たない)とKnowledge(知識)を合成したトフラーによる造語。全ての知識には寿命があり、どこかのポイントで無用になっていく。しかも無用になっていくペースは加速する。知識を新たなものに保つためのコストは上昇し、意思決定に影響を与える

例えば、コンピューターは高いという古い知識で経営判断し買い替えを渋り古いマシンを使わせ続けることで社員の業務効率を落とすというような事例はありがちだ。ハードディスクは高いという思い込みや、メモリは高い、SSDは高いという古い知識により、買い替えよりデータの削除を選んだなら時には愚挙となってしまうこともあるだろう。
このように古い知識は判断を時により真逆にしてしまう。そしてその知識の劣化のスピードはエコノミックアニマルの中では加速している。
無用知識と訳されているが、正しくは「適切に追いかけなければいけないと間違ったものになってしまう知識群」だ。
我々がもつ情報量は圧倒的に増えているが、同時にその更新も適切におこなわれていなければその知識は毒にもなる。
例えばプログラミング言語のひとつであるRubyでわからないことがあるので調べようとすると古い情報が出てきて泣きそうになる。全く役に立たないばかりかそれが間違った対応にもなるのだ。言語の進化も早ければ、そのうえにのるフレームワークの進歩もはやい。フレームワークを利用したCMSはさらに早く、利用者は24時間も待ってはくれない。
品質管理工学ではドキュメントの最新性の担保は基本に置かれる内容であるが、それと同じことが知識にも言える。あなたの品質を保つために知識の最新性を担保しなさい。つまりこういうことだ。
この自分OSのアップデートは知識階層に属するひとであればあるほど高コストなものになるだろう。もしかしたらそれは新たなビジネスになるかもしれないほどに。
「あなたを常に最新にします。」
魅惑的なキャッチコピーではないか!


環境分野:ENVIRONMENT

・エネルギー競争

石油流出事故

今年のメキシコ湾、カリブでの原油流出はひどい事故だった。もしかしたら、いや、もしかしなくてもこれは地層に残るレベルの災害になるだろう。
海面に張られた日本の総面積を何倍も上回る油膜が暖かな地域での海水の蒸発を防ぎ、これが原因で北大西洋海流が変わり、ヨーロッパを襲っている大寒波がおきたなんてことが数年後に証明されたとしても驚きはしない。もし来年以降世界的な作物の不作がおきたとしても驚きはしない。漁獲量が落ちたとしても驚きはしない。
まず間違いなく歴史に残る。だが、日本ではまったくといっていいほど報道されないのは不可解なことだ。

石油とエネルギー

原油がエネルギーとしてだけのものであれば話しはシンプルだが石油製品を無視するわけにはいかない。
ベンゼン環をアルコールのようなものから重合させるのに必要なのはエネルギーだけではない。時間も貴重な資源だ。
原油の生成は化石だの、いや、地中の菌がつくるだのいまだに謎とされているが(そんなバカな!)、ラボラトリーベースで合成できるのだから別にそのうち合成させることはできるだろうと思う。
藻類からアルコールをつくる工場などは可動を目指しているし(http://wiredvision.jp/news/200804/2008040923.html)、最近ではオーランチオキトリウムという光合成なしに石油を生産する藻を見つけたと話題になった。(http://www.asahi.com/science/update/1214/TKY201012140212.html
あとは効率の問題だ。獲りにいくのがいいのか育てるのが安いのか。狩猟から牧畜に移行する程度のタイミングの問題だとおもう。

廃棄コスト

作るほうは金になるので執着するが、捨てるほうには手が回らない。
3R(スリーアール)という考え方がでたとき、リサイクル、リユースまでは伝わったが、リデュース(減らす)は日本に伝わらなかったのは減らして儲けることができるひとがおらんからと聞いたことがある。直近で金にならんことにはみんな見なかったことにしようとする。
だが、ごみ捨ての処理に失敗した都市はほとんどが滅びたし。糞の始末ができない獣は捕食されるというものだ。
環境というとなぜか地球環境に限定されることがおおいが、作ったものを元にもどすサイクルに着眼するのが正しいとおもう。作ったものは同じ速度で片づけることができなければ我々はゴミに埋もれることになる。
作る速度をリデュースするか、廃棄できる処理能力をあげなければならない。
プラスティックをわずか3カ月で分解する菌がみつかり話題になった。(http://karapaia.livedoor.biz/archives/51474684.html) 今後10年は菌の時代かもしれない。かもすぞー!!
ちなみに発酵は日本の数少ないお家芸である。


感想とか

国家や経済体という枠組みはさらに大きくなるであろうし、地域共同体という意味ではさらに小さくなるであろうとおもうのでした。
あなたの知識を最新にアップデートしますというようなビジネスは面白そうだし、技能商店街みたいのをつくりたいなと意識しました。いいじゃないですか。ねぇ? やりません?


そんなわけで、コタツで昨晩うたたねしそうになって、このまま寝たら風邪をひくーともがきながら後ろのベットにまで移動したもののそのうえで布団もかけずに寝てしまい、今日は頭がいたいのでおとなしくブログとかを書いているのでした。
最後まで何かあと一歩足りない本年でしたが、翌年はちゃんと最後までなんかとかなるようになりたいと思います。
あと一歩の部分お力添えいただければこれ幸い!
よいお年をおすごしください。


あ、テヘ。タイトルつけわすれてたw