中小企業が低予算で情報化するための方法

本当は昨日つづきを夕方ポップコーンおかわりしながらさくっと書いたのだけど、出ししぶってみたなり。
数年前には数百万円だったアプリケーションと変わらないようなものが無料で手に入る世の中になったんだけど、カスタムメイドのシステムも、そろそろもっと制作コストは下がってもよいはずだ。


できない理由はこっちで書いてみた。
http://d.hatena.ne.jp/kuippa/20100605/1275719279
では、できるようにするための方法はないだろうか??


仕事の引き合い、与信審査

お金を払ってくれる注文者か否かはとても重要な問題だ。無いケースではない。
住宅ローンなどのように、ローンを組むためには与信の審査がある。
ゆえに設計事務所に話しがまわってくる頃には、一定の与信審査がなされていることが多い。
だが、システム開発にはまだそのような仕組みはまだ無い。


三鷹ICT事業者協会や、首都圏コンピュータ技術者協同組合のようなものを始め、ソフトウエア事業者の組合組織やプログラマーズカフェのようなものが各地にできつつあるが、このような組合組織が間口となることで最初の引き合いの段階でフィルターリングがされると、それぞれの会社が毎回だまされてしまうというような確率は低くなる。(信用保証協会のようなものがあれば面白いかもね…)
また、ソフトウエア事業者といってもそれぞれの専門があるので、専門外のところに相談してしまうというようなことも減る。黒い案件対応で労力を割くこともなくなる。
そういう仕事を受ける側の横のつながりがもっと機能すればいいのではないかと思う。これは今がんばってるよ!


電子化の導入支援業務

業務の電子化もなされていない事業所には業務の一部電子化支援から始めたほうがいい。
数十万の情報化の予算しかないならまずやるべきは業務の一部電子化だ。
高いお金をかけて新しいシステムをつくるよりもまずはエクセルの使い方を教えてあげたほうが結果喜ばれる。
エクセルの使い方をシステム会社がレクチャーするのは非効率だ。
新しいPCでも買ってあげて、社内LANを組んであげて、データ共有と、GoogleDocsとかの使い方でも教えてあげたほうがいいケースというがある。月に数時間だけでも相手のオフィスに行ってそういう導入支援をする事業があれば、中途半端な予算でシステムを組むより結果効率はいいのではないかと思う。


寡聞にして電子化導入支援というのを専門にやっているSOHOさんというのを知らない。居るのだろうか?
いたらぜひご紹介ください。
情報化は業務の電子化で算段がついてからでも遅くは無い。数百万の予算をかけていちかばちかレモン市場に突入するよりは、そのまえに試食コーナーがあると、双方誤解がなくなって幸せになれるとおもう。

受け入れ検査、システム評価

三者が評価をする仕組みが入らないままではシステム開発業界はいつまでたってもレモン市場のままだ。
鉄骨抜きビルを建てても地震のような事故がおきるまでばれなきゃいいや的にシステムが構築され、外面だけよく、法的な契約要件だけ満たすものができあがる。法なんていつだって不整備だ。
システム会社はそういうものだと思って作り続けるし、発注側もそういうものだと思って使い続ける。
情報産業なのに情報の共有も蓄積もろくにされていないとはなんたることだと思う。


ひとつの例だが、WEBぜい弱性検査ツールを協会で導入したらどうだろうという話しがあがっている。
検査ツールはぜい弱性がないことをドキュメントにするぐらいにしか役に立たないかもしれないが、そのような仕組みがあるだけで、ボトムアップになる。最低ラインが担保されるのは重要なことだ。
瑕疵責任か否かを評議、ふるいわけできる駆け込み寺が裁判所の前に必要なんだ!


システム導入後のユーザー教育

社長の鶴の一声でシステムはつくってみたものの、そもそも現場がパソコンの使い方もあやういという会社さんもある。
メンテナンスは開発会社がやるのはわかるが、それ以前の問題でパソコンの使い方レベルの問い合わせが同じレベルで入ってくることがある。普通のソフト会社であれば営業さんが雑務として処理していたりする。しかしSOHOでやっていると、この何気ない対応がしんどい。
クリティカルな対応をしなければいけないのか、便利屋さんとして呼ばれているのかは最初の段階で区別したい。忙しい時に不要不急の対応が重なるとうにゃーーとなる。
ユーザー教育や、導入後の問題の切り分けを専門にやっているSOHOさんがいれば、制作系の人からすると心強い。それをやってるよ!という人、いませんか??


データ保守管理のテレワーカー

本業の傍らネットショップをやっている会社さんと話していたのだが、能力的にできるできないかではなくて、それが業務優先度的にどうしても後回しになってしまうために、ネットショップの管理がおろそかになってしまうという問題を抱えていた。うちもネットショップをやっているので同じような問題を抱えている。


そこで必要になってくるのがアイテム情報や在庫管理をやってくれるようなSOHOさんだ。
1社でネットショップ専任担当をを抱えるほどのボリュームは無い。
3日に1ぺん更新してくれるとか、そういうぐらいのペースでこの運用をフォローしてくれるSOHOさんはいないだろうか。たとえば、子育てしててフルタイムで仕事にも入れない、家もあけられない、という人でもPCを高効率でつかいこなす人達は居ると思う。
コミュニケーションコストが掛らないやり方がつくれれば、かなり本気でお願いしたい。
アイテム情報とか在庫更新とかそういうのを外出しできる人はいないだろうか。何社か集まれば一人分ぐらいの仕事量にはなるとおもうのだが…。


ゼネラリスト

上にあげたような人達というのは居るのかもしれない。だが、自分にはリーチしていない。またそれを評価するすべもない。業務が専門家しすぎてゼネラリストが日本の産業界から消えた。横断的にわかるゼネラリストが居ればもっと効率的になるのにと思う。
情報産業にまつわる変化は急激だ。スペシャリストである必要があるが、同時に俯瞰的な視野なしには生き残れない。
それぞれの項目で、それぞれに活躍してくれる人達やグループが出てくれれば、産業構造にもう一歩変化がでてくる。
レモン市場からの脱却もそう遠くはないと思う。

情報産業のビジネススタイル変化

パッケージソフトの開発が昔はソフトウエアベンダーの花形だった。今はWEBサービスだろうか?
お金稼ぎについては、受託や派遣でコツコツ稼ぐというのが今もというところだろうか。
具体的な開発についてみてみる。
ECサイトSNSなど、OSSのカスタマイズなどで開発コストが下がり値段と性能が反比例で進化中だ。
よほどの特殊用途でなければ、ひとむかし前のような数千万とか数億かけてシステムを組み上げるよりは、パッケージとか、OSSもってきてカスタマイズして組み合わせてのほうが安いうえに、いいものがつくれるようになってしまっている。
1年かけて作っても1年も使わない間にOSとか土台が変化してしまっている可能性のほうが高い。


システム開発ももっと効果測定はされないといけないと言ったが、プロジェクトに突っ込んでた人が9割は実は要らない人達だったとか、去年2000万ぐらいかけてシステム開発をおこなったけど、同じようなシステムで性能がいいのがオープンソースでできちゃってるので、保守性を考えたらまるっと全部無駄だったとか、そういう頭をかかえることばかりになりかねない。
システムの賞味期限、消費期限は圧倒的に短くなってきている。
発注する側は何年使うつもりで投資をするかを真剣に考えなくてはならない。
ただ、そうなってしまうと、食えなくなってしまう人達が多くでるので、ここには見掛けみんな見なかったことにして急激な変化はないようにと装うと思う。みんなが抵抗をしながらゆっくりと、しかし確実に死んでいく。


しなくていい苦労はしなくて済むように、のんびりと、生き残っていくためには、今は無理かもしれないけど、数十万円の案件でも利益を出せるような構造にしなければならないと思う。
数十万円の投資であれば、半年ぐらいでシステムの賞味期限が切れても情報化投資に成功する可能性は増える。
そうなれば、インド人にも負けないぉ。
レベニューシェアとか、J-SaaSとか、そういう新しい取り組みでもいい。
何がどう生きスジになるかはわからないけど、死にスジだけは見極めないとくいっぱぐれちゃうんだぜ。


コミュニケーションコスト

コミュニケーション力ではない。コスト。こちらの意図したことがどれくらいの説明で伝わるかは業務連携をする際には重要なことだ。
電子化もろくになされていない中小企業とシステム開発会社、ベンダーとのコストはとても高いものがある。
だが、その閾値を下げる触媒のような働きをしてくれるSOHOさんがいると、全体の反応にかかわるコストというのはぐっと下がる。いままでは大企業がこういうのを垂直統合でやってきた。
同一企業内であればコミュニケーションコストは下がる。何か同じことを反復継続してやるならスケールメリットをとれる大企業がいい。だが、今は環境変化が急すぎる。


五月雨を集めて早し最上川
雨が集まって河になるためには、条件次第だが、今、雨が降っているのかなと思う。
いや晴れててめちゃめちゃいい天気なんだけどね。
(゜Д゜=)ノ⌒゜

今日は大掃除をしました!