小さい企業が生き残るために

気が付いたらもうお店を初めて5年目。3年も持てば上等だと思ってた手作りのお店が今にも倒れそう(物理的にも)。
そろそろ新しいビジネスモデルを考えなきゃなと思ってちょっと調べごとしながら考えてました。
考えたことはおいておいて、調べたことでもあげておきます。
ご参考までに。



平成21年の製造業は最悪ですね。

こりゃ無茶ゲームですね。。


http://www.stat.go.jp/data/kojinke/sokuhou/4hanki/pdf/gaiyou.pdf
金融ショックから市況にくるのに1年ぐらいかかるだろうとおもっていたのだけど、工場とかの稼働率が40%切ったとかいう泣きごとを夏ごろに聞いてたので、今、この数字かと思うと空恐ろしいです。



個人企業経済調査(動向編)平成21年7〜9月期結果(確報)
http://www.stat.go.jp/data/kojinke/sokuhou/4hanki/pdf/youyaku.pdf
卸売業,小売業が抱えてきた売上減少のフェイズが、製造業、そして飲食サービス業に。
リーマンショックから12ヶ月以上の時間差で展開している可能性がある。
卸、小売の激しい落ち込みが回復しているのはいいサイン。


飲食店は不況に強いと伝統的には言われているのだけど、最近の数字を追うとなんかそうでもない気がしてきた。
固定費や設備要求費用が上がっているからかもしれない。
ラーメン屋とか屋台で始められたからサクセスパスがあったんだけど、いきなり路面店を要求されているようでは普通の小売業態以下の安定度もない。



会社企業に関する集計の集計

そろそろ新しい情報がまとめられるかもしれないけど、現在公開されているデータはH16年、古い情報しかない。
http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?bid=000001006423&cycode=0
これらの情報をもとに個人集計した情報をあげておく。

企業数変化

平成13年〜16年(2001-2004) 増加率%
    50 人 以 下  and less -5.5
   100 人 以 下   and less -5.5
   300 人 以 下   and less -5.5


年末に聞いた情報だと、これよりは悪化していると思う。
事情がH22年ではまたずいぶん違うかもしれない。

平成13年〜16年(2001-2004) 増加率%
医療,福祉 48.7
金融・保険業 2.7
教育,学習支援業 2.7
農業 -1.8
不動産業 -2.7
情報通信業 -2.9
農林漁業 -3.2
電気・ガス・熱供給・水道業 -3.5
運輸業 -3.9
飲食店,宿泊業 -3.9
林業 -4.7
建設業 -5.2
漁業 -7.2
製造業 -7.9
卸売・小売業 -8.1
鉱業 -10.8
複合サービス事業 -23.9
全    産    業 -5.4

H16年前後に福祉バブルがあったのでその影響を多分に受けていると思う。
この数はどうみてもバブル。教育が以外と善戦している。
不動産業が善戦しているが、リーマンショック移行はどうなったか後で推移を追いたい。


平成13年〜16年(2001-2004) 増加率%
その他の社会保険等事業 256.7
その他の児童福祉事業 150.0
社会保険社会福祉・介護事業 148.2
老人福祉・介護事業 107.0
インターネット附随サービス業 95.1
その他情報等制作に附帯するサービス業 91.9
映像等情報制作に附帯するサービス業 72.7
音声情報制作業 59.5
建築リフォーム工事業 59.4
金属鉱業 57.1
その他の食堂,レストラン 50.9
医療,福祉 48.7
障害者福祉事業 40.0
労働者派遣業 38.2
米穀類卸売業 37.7
その他の洗濯・理容・美容・浴場業 27.7
電気機械器具修理業 26.4
補助的金融業,金融附帯業 26.2
他に分類されない飲食料品小売業 25.5
自動車卸売業 24.7
床工事業 24.2
療術業 23.6
その他の修理業 20.8
児童福祉事業 20.4
他に分類されない一般飲食店 12.8
野菜・果実卸売業 8.7
鉱物・金属材料卸売業 8.7
飲食料品卸売業  6.4
葬儀業 6.2
食料・飲料卸売業 4.9
その他の情報処理・提供サービス業 1.0
食堂,レストラン -1.9
パン・菓子製造業 -2.0
ソフトウェア業 -2.4
情報処理サービス業 -2.4
茶店 -7.0
食料品製造業 -7.1
ハンバーガー店 -8.1
飲食料品小売業 -10.2
生花・茶道教授業 -10.3
茶・コーヒー製造業 -12.1
情報記録物製造業 -20.2
他に分類されないその他の小売業 -20.2
毛皮製造業   -25.0
病 院 -25.0
音楽・映像記録物賃貸業 -25.0
助産・看護業 -25.5
看護業 -28.9
ニュース供給業 -30.6
通信業 -32.5
図書館 -33.3
電気通信に附帯するサービス業 -35.5
各種食料品小売業 -37.1
製糸業 -43.5
代理商, 仲立業 -66.0
内水面漁業 -100.0


すべてを書き出すのは無理なので、ブログ用に上位と下位の業態を抜き出してみた。
飲食業、ソフト関係は特別に抜き出した。


h16年の時点でもソフトウエア業などがマイナスのところだ。
インターネット附随サービス業は増えている。
音声情報制作業ってなんだ?
映像、音声などの制作業は増えているが情報記録物製造業や音楽・映像記録物賃貸業などはマイナス。
ここらへんはオールドメディアとネットのデジタルデバイドなのかもしれない。
他に分類されない飲食料品小売業、他に分類されない一般飲食店ここらへんはプラスだが、一体どのような業態だろうか。うちのお店みたいなよくわからないのはこちらに登録されているのかもしれない。

米穀類卸売業が増えているのは違和感を覚える。
調べてみた。
H16年に食糧法の規制改正があったようだ。
http://www.komenet.jp/_member/documents/06-071214.pdf
なるほど、萌え米あきたこまちみたいなビジネスモデルに取り組むようになったのは自由化があったからなのね。
取り扱い4000トン以下は赤字が営業が多いみたい。
http://www.ja-ugo.jp/


紅茶茶葉類の小売路線を強化しようと思ってたんだけど、単純な飲食業界は凄く厳しそうだ。
その他、食堂とか「その他」ってなんだろう・・・??
ネットカフェとかそういうのかな?

平成13年〜16年(2001-2004) 増加率%
熊本県 -2.1
福岡県 -2.3
滋賀県 -2.6
奈良県 -2.6
沖縄県 -2.6
宮崎県 -3.0
青森県 -3.1
石川県 -3.1
佐賀県 -3.1
富山県 -3.2
- -
広島県 -5.8
愛媛県 -5.8
栃木県 -5.9
千葉県 -6.2
高知県 -6.2
徳島県 -6.4
香川県 -6.7
東京都 -7.0
埼玉県 -7.3
大阪府 -8.1

2004年までなのにどこも企業数が減っている。ここらへんは中小企業白書の方が詳しいので省く。


個人企業の売上構成


個人的に一番参考になった
素のデータだと情報が読みにくかったので自分用に加工しました。
画像だとみずらいかもね。
うちは紅茶茶葉とか雑貨の小売をやっていますが、原価が6割を切ることなんてまずなくて、よくて6掛け、場合によっては8掛けなんていう商品だってある。
保存が効く在庫廃棄リスクが低いものしか扱ってないのでやむえないといえばやむえないのだが、そうじゃない商品も扱ってでも売上原価を下げる必要はあるのかもしれない。
同じ茶葉でもちょっと駅前にいくと2倍の値段で売られていたりするのでうちのプライシングの問題かもしれないが。。。
さっき、ちょっと計算してたんだけど、ネットショップである商品が2000円ぐらい売れても包材とか抜いても200円しか粗利がない。これじゃ販売管理費も出ない。
殆ど趣味だろと言われても否定も反論できない有様……。
十分のんびりしたので、そろそろちゃんとしましょう。
システム開発などは製造原価が人件費だけなので販売管理は圧倒的に楽なのだが、固定費となってしまうのが個人企業には継続性を考えると無理がある。
いずれにしろ、結構面白いデータがいろいろあったので、ヒントにはなった。


中小企業の倒産が減る材料はない

金融。
機能してませんね。
身内で板をたてて見掛けだけの流動性だけな世界はともかくとして、体感できるお金の流動性も落ちています。
特定不況対策緊急資金融資あっせん制度なるものがあるのですが、売上が昨年に比べ3ヶ月下がってれば金利0%で借入ができるというので、初めて借入なるものを申し込んでみたのですが、どれくらい貸せますか?って聞いたら100万円だそうで、しかも100万貸し出すのに数ヶ月かかってます。
3ヶ月以上前の売上で比較しなきゃいけなかったので、うちの場合条件満たすのに申請までその時点で数カ月掛ってしまい合計で言うと半年ぐらいかかってまだ終わってません。
売り上げが落ちたという名目で申請するものが売上がかんばしくないからという理由で滞ってちゃまずいんじゃないかなと思ったりします。
うちの場合、万年赤字企業なので確かに財務状況がはよろしくないです。
営業分類上、喫茶店であることも障害なのかな?


もし社員を抱えてたり固定費がかかるような業態で展開しているようなところはどうなるのでしょう。
まずはお付き合いでという感じでやってみたのですが、体験してみてよかったです。
お金が必要な事態になった時にこんなことをやっていたら間に合わないし潰れてしまいます。
緊急のつなぎ融資は銀行とか保証協会を通さないところでつくらないとダメなんじゃないかなと思いました。
他方で、売上が伸びたところには日参で借りてくれ借りてくれとうるさいらしいし、預金の方の外交員さんとかも一生懸命お金をあつめているんですけどね。
日本だけの事情なのかね?こういうのは・・・。
小規模事業者相手への貸出もリスクマネー扱いしていたら、まずいんじゃないかとも思いますが、あと何年かで変わるものでもないと思うので、そういうものだと割りきってお付き合いするよりないのかもしれません。